目標を超えた目標(メタ目標)

須田敏男

須田敏男

テーマ:メンタルヘルス

 「若い方が、『今日の会議は、家庭の事情で、欠席します。』と、家庭を優先して休まれる方が、最近多くなった。」
と、悩みを話されるリーダーの方と話をしました。

 もともと仕事がボランティアであるため、手当が出るわけでも、強制力があるわけでもないため、ご本人の意識に頼る事になります。

 ボランティアへの意識の低さが、場の雰囲気を作り、会議そのものの質を下げているように感じます。

 ボランティア活動は、一人ひとりの「利他心」(他の人のために尽くす心)を高めるよい機会だと思います。
 
 「家庭生活を犠牲にしてまで、ボランティア活動をしたくない。」と考えるのは、利己心ですが、家庭生活と考えているのは、「自分のため」ではなく、「家族のため」という利他心があります。(「家族のため」を口実に自分のしたい事をするのは別です。)

 この事から、考えると、「利他心」には、レベルがある事が、わかります。

 自分以外の他の人の枠が、家族→地域や会社→もう少し広い社会(国レベルまで)→人類と広がっていくにつれて、意識のレベルが高まっていくように思います。

 意識を高めるには、体験が有効に働きます。

 例えば、50mの記録を伸ばそうとした時、50mのゴールを目指して走るのではなく、60mを全力で走るつもりで、ゴール(50m)を突き抜ける方がよい記録が出るそうです。
 また、大学入試でも、大学に合格する事を目指す人よりも、合格した先を考えている人の方が大学合格率が高いそうです。
 つまり、目標を超えた目標(メタ目標)が、目標実現に役立つという事です。
 
 この事は、ことわざ 「可愛い子には、旅をさせよ」に通じるところがあります。

 現状のレベルを高めるためにあえて、その高いレベルを体験します。
 立場が人を育てるといわれるように、その立場になって、その立場から物事を考える事で、知らぬ間にレベルが上がる事になります。

 家庭を犠牲にしないように、時間をうまく使ったり、家族に理解を求めようと説得したり、調整力を高め、工夫して取り組む事ができるのも、役を引き受けたからです。

 また、その姿を見ている家族への影響は、かなり大きいものです。

   人のために働く後ろ姿を見て育つ子どもがいます。
     ・他者を思いやる心が育つよい機会にもなります。
     ・憧れの姿にもなります。

 その可能性を秘めている役を引き受けたという自覚をもっていただくと参加の仕方が変わってくるのではないかと思います。

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

須田敏男プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

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