今の窮地を乗り越えるには
NHKプラスで、「こころの時代 〜宗教・人生〜」(心とは何か 脳科学が解き明かすブッダの世界観)を見ました。
この番組は、どうにもならない壁にぶつかったとき、絶望の淵(ふち)に立たされたとき… どう生きる道を見いだすのか。先人たちの知恵や体験に、じっくりと耳を傾ける番組です。
脳と心の関係を探求してきた脳外科医のお話を聞きながら、「気づくこと」が、人間にとって大切な事だと改めて感じました。
出来事は、私たちにさまざまな感情を起こさせてくれます。その感情は、出来事に反応している時に湧き上がってくるものですが、人間がその混沌とした状況の中から飛び出す事ができるのは、気づきがあるからだと言う事ではないかと思いました。
人が、人間である事の証が、ここにあるように思いました。
出来事は、私たちが成長するための試練のようなもので、今の自分に合った気づきが、生まれます。
辛い、悲しい、苦しい事だけではなく、楽しい、嬉しい事、心地よい事でも同様です。
前者の場合は、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされる事があり、かなり気づきについて意識的になりますが、後者の場合は、安全・安心が担保されているため、あまり意識的にならず、無意識的になっているため、なかなか気づく事ができません。後者の場合、ある意味動物的に生きているのかも知れません。
成功者の体験談を読む機会がありますが、実業家の稲盛和夫さんにしても、料理人の道場六三郎さんにしても、演出家の浅利慶太さんにしても、前者を乗り越える時の気づきが成功につながっているように思います。
何を大切に生きていこうとするかは、その時々の状況によって、気づきの内容が違うように思いますが、成功者の方々は、長期的な視野に立った気づきがあるようです。
稲盛さん・・・世のため人のために尽くす事が人間として大切だ
道場さん・・・可愛がられる人間、使われやすい人間になることだ。
浅利さん・・・不器用でも十年地道にやると人格的に深みが出てくる。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言われますが、これは、気づきを得るチャンスを自ら求める事になります。自ら成長しようとする意思がなければできません。
後者から気づきを得ることは、なかなか難しく、修行僧の域でないと無理かも知れません。
ただ、感謝に気づくことはできそうです。
「楽しいひと時を過ごせたよ。ありがとう。」
「あなたが、そばにいてくれるだけで、楽しくなるよ。ありがとう。」
「いつも、気遣ってくれて、ありがとう。」
「一緒にできた事が幸せだよ。ありがとう。」
「私の足になってみんなを運んでくれて、ありがとう。」
「この一円玉1つのおかげで、買い物ができた。ありがとう。」
「いつも暖かさを保ってくれる床がある。ありがとう。」
「いつでもお湯が出て、ゆったりお風呂に入れます。ありがとう。」
「晴れたから、こんなに楽しい時間が作れた。ありがとう。」
「雨が降って、野菜も喜んでいるよ。ありがとう。」
「郷土の豊かな自然の中で生かされている。ありがとう。」
「自由に生き、伸び伸びと生きられる日本。ありがとう。」
身の回りの 「人」「物」「自然」「歴史」に目を向けると、気づく事がたくさんありました。
これを成長につなげたいと思います。