平静さを保つ

須田敏男

須田敏男

テーマ:メンタルヘルス

 父の食事の介護を終え、我が家に入り、
「ただいま。」
と、新聞を読んでいた妻に声をかけました。
 妻は、父の様子を私に尋ねた後に、
「お風呂の準備してね。その間に夕食の準備するから。」
と、言ってきました。
 「ほっと一息つきたいと思っていたのに、それはないだろう。」と、思いました。そして、私が介護している時間に、夕食の用意して待っていてくれてもいいのに、新聞を読むゆとりのある時間を過ごしている妻に少しむかッとしました。
 でも、一瞬感情が高ぶるのを抑え、
「そうだね。わかった。」
と、内心腹を立てながら声をかけ、浴室に向かいました。
 冷静になるように自分に言い聞かせながら、黙々と浴槽を磨きました。
 その時、頭の中に、一言言い返して妻と口論をしていたイメージが湧き上がってきました。
 「よく我慢した。」と、自分を褒めながら浴槽を磨いていると次第に、妻への嫌な感情が、消えていきました。
 食事中に妻が、
「畑の草取りをしたよ。」
と、話してくれました。
 妻は、ずーっと新聞を読んでいたわけでは、なかったのです。
 私は、畑の周りの草が伸びているのを気にしていたのですが、なかなか時間を見つけられず、ついつい先延ばししていました。
 妻も気にしていてくれていて、私を助けてくれたと思うと嬉しくなり、感謝の気持ちが湧き上がってきました。

 目の前に起こる出来事に一喜一憂している自分があります。

 その時々の気持ちを素直に出す事は大切ですが、今回のように一旦、気持ちを抑える事も役に立ちます。
 もし、不満をぶつけていたら、感謝の言葉を伝える事なく、まずい食事をしていたと思います。

 今回の出来事を振り返って見ると、
 ほんの一瞬の出来事ですが、むかッとした時に、感情を出すのを引き止めてくれる自分が現れた気がしました。
 そして、妻と一緒にいるのではなく、離れた場に移動し、冷静さを取り戻す時間がありました。

 これらが重なって、美味しい食事の時間を過ごす事ができたと思います。

 思い返すと、むかッとして、嫌な感情が湧き上がった時の呼吸の乱れを感じたその一瞬でしたが、深く息を吸いました。
 これが、嫌な感情を飲み込むきっかけになったように思います。

 上手くいくことばかりではありませんが、この一瞬の行動が、冷静さに結びついたように思います。

 これからも、呼吸に意識を向ける時間を増やして、穏やかな呼吸をし続けるように努力したいと思いました。


 
 

 
 

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須田敏男
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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

あすなろ教室

 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

須田敏男プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

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