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コラム

思いやりがお節介にならないために

2023年4月6日

テーマ:メンタルヘルス

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

 思いやりのある人になりたいと思っていますが、なかなかこれは、難しいと感じています。
 相手を気遣ってやったことが、お節介になったり、相手の仕事を減らそうとしたことが、かえって仕事を増やす事になったりと、思わぬことで、相手に不快感をもったり、誤解を招いたりすることがあります。
 どうしてこのようなことが起きるのか、その原因を探りながら、同じ失敗を繰り返さない方法を見つけたいと思いました。

 ここで役に立つ立つのが、NLP心理学で扱うニューロロジカルレベルです。

レベル6:スピリチュアル
レベル5:自己認識(セルフイメージ)
レベル4:価値観
レベル3:能力
レベル2:行動
レベル1:環境

レベル(数値)が高くなるほど、その人のアイデンティティともいえる本質的な要素が強くなり、自身への影響力が大きくなります。そして自己認識や価値観の変化が、その後の能力向上や行動変容、環境の変化を生み出しやすくなると考えられています。
 「思いやりのある人になりたい」というのは、レベル5になります。
この一つに対して、
 レベル4(価値観)は、
・思いやり
 そのためのレベル3(能力)は、
1 相手の思いを察する共感力
2 相手を思う行動力
3 相手に思いを伝える表現力 など
 そのためのレベル2(行動)は、
a 相手の話を聞く
b 相手の状況をつかむ情報を集める
c 相手の気持ちをわかってうなずく
d 相手を気遣う言葉かけをする
e 相手の負担を肩代わりする
f 相手を癒す感情を表す
g 相手の行動を洞察して配慮する
h 相手に感謝を伝える
I. 相手に配慮不足を謝罪する   など
と、
 裾野が広がるように、レベルが低くなるにつれて、数が増えていきます。
 このような多くの行動をすると思いやりのある人になれると考えることができます。

 (ただし、ここに挙げた内容は、私の個人的な考えで整理しただけで、人によって内容が異なってきます。)

 ただ、自分なりにこのような整理をしておくと、自分の至らない点を発見しやすくなります。

 ただし、トラブルが起きるのは、これとは、別です。
1つの行動に対して、いくつかの判断の違いを見つけることができ、自分の判断とのずれが生じた時にトラブルが起きます。

例えば、
「g. 相手の行動を洞察して配慮する」について考えると、受け取る側が、
 1 思いやりのある行動だ。
 2 力不足と思っての行動だ。
 3 支障をきたさないための行動だ。
 4 頼りにならないと思っての行動だ。
 5 事情をつかんでいない配慮のない行動だ。
と、複数考えることができます。
 そして、相手と自分の思いのズレがトラブルにつながります。

思いやりのある行動と受け取ってもらうためには、1つの行動だけでなく、前述の様々な行動を組み合わせて、相手と関わる事が役に立つように思います。

例えば、
 「g 相手の行動を洞察して配慮する」を支えるための行動として
「a 相手の話を聞く」や、「b 相手の状況をつかむ情報を集める」をし、「e 相手の負担を肩代わりする」を相手に伝え、「a 相手の話を聞く」をすることで、思いやりが相手に伝わるのでは、ないかと思います。
 また、それでもまだ、誤解され、伝わらないようであれば、「I 相手に配慮不足を謝罪する」を取り入れ、「h 相手に感謝を伝える」と誠意を示す事になると思います。

最近、
 「私の浅はかな配慮のため、あなたの大切な時間を無駄にしてしまってごめなさい。」
 そして、
 「許していただいて感謝しています。ありがとう。」
と伝えた後に爽やかな気分になった事が、浮かんできました。

この記事を書いたプロ

須田敏男

長年にわたる小学校の教頭の経験を活かした家庭支援のプロ

須田敏男(あすなろ教室)

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