なぜ叩くの?
子どもたちが遊んでいると、必ずと言っていいほどトラブルが発生します。
この時、子どもたちが、このトラブルにどのように対応するかを見ていると、いろいろな姿を発見します。
大きく次の3つに分けることができます。
a.自分の感情に浸っている子
b.何とかトラブルを収めようと解決の方法を探る子
c.その場から逃げ出す子
aは、自分の力で、感情を切り替える事はなかなか難しく、支えてもらいながら、感情が鎮まっていきます。
トラブルが起きるきっかけをを作ることが多いように思います。
また、aの感情をいかに早く切り替えることができるかが、トラブル解消の鍵のように思います。
aの「誰かがこの感情を何とかしてくれる。」と受け身になっている姿は、幼い子が、母親に駄々をこねている姿に似ています。
その点、bやcは、自分の力で、感情を切り替える手立てを身につけているので、トラブルで発生した嫌な感情から早く抜け出すことができます。
子育ては、aをbやcのように自力で感情を切り替える手立てを身につけたさせていく過程になります。
その意味から考えると、トラブルは、他人の生き方を学ぶよい機会になります。
どのようにトラブルを解決するか、見守ることも子どもたちの力を伸ばす機会になるので、大切になります。
bは、自力で解決できないと判断すると、「先生、助けて。」と助けを求めてきます。
そして、どのようにトラブルを収めようとするのかをbは、よく観察しています。
そして、次の機会にそれを試そうとします。
cは、常に他人事にしているため、bから助けを求められます。
でも、bの力では何ともならないことが多く、この時も「先生、助けて」と声がかかります。
cが次第にbに協力し始めると、aへの刺激が多くなり、a自身は、助けてもらっている感じも強くなり、次第に感情を切り替えることができるようになっていきます。
トラブルを繰り返しながら、次第にa,b,cが成長していく姿を見ることができます。
ただ、いつまでも、aが、aの役割を担っている事では、自力で感情を切り替える事はできません。
4月のこの時期は、新たな仲間が増える時期です。自分よりも幼い新たなaの出現が、aを伸ばすよい機会になります。
トラブルのきっかけが自分ではなく他者になるので、立場が自然と変わります。
すると、過去の自分と重ね合わせて見ることができ、感情を切り替えるための学びを生かすチャンスになります。
aの新たな挑戦が始まります。
この事は、子どもたちの遊びのトラブルだけでなく、私たちの日常生活でも同じ事のように思います。
日常のトラブル、会議の議論などにも似た状況を見つけることができます。
その中で
「私は、どの役割を担っているのだろう。」
「私は、その中で、何を学び、成長に役立てているだろうか。」
と、思います。
昨日の会議での自分の姿を思い浮かべながら、今振り返っています。