出来事の意味を自分が決めている?

須田敏男

須田敏男

テーマ:メンタルヘルス

 最近、会話をしながら、「人によって出来事の捉え方がすごく違うものだ。」と思っていました。
 そこで、この違いについて、整理してみようと思いました。

 ある本の中で、作家の浅見帆帆子さんが、よいことの後に悪いことが起こる三つの理由を次のように書かれています。

 ・次は悪い事が起こるのではないかと自分で思っている。
  (その強い意識が引き寄せている)
 ・よいことが起こったのは、すべて自分の力だと思って感謝が足りない。
 ・何かを犠牲にして我慢したからこそ、上手く言ったと思っている。
  (そう思い込んでいると、犠牲がなくては上手くいかない人生になる)

 出来事には、いろいろな意味をつけることができますが、自分で「これだ。」と決めるとそれが現実となっているように感じてしまいます。

 この三つの理由に加えて、

「高いレベルで生きている人ほど『幸せ感度』が高いんですよね。何でもありがたいと感じられるからこそ、小さな危険信号にもすぐに気づいて、『これを通して自分に何かを教えてくれるんだ。こんなに早く気がつけてよかった。』と思えるんです。」

 と、書かれています。

 これは出来事の意味を肯定的にとらえた例です。

 相手に責任を転嫁したり、悲観的に考えたりする事もできる事ですが、それを自分にとって都合の良い肯定的な意味にとらえただけで、
幸せな気持ちになったり、感謝したくなったりする事がわかります。

 という事は、物事は色がついているわけではなく、自分が色をつけて見ている事がわかります。

 色付きのメガネをかけて、世界を見ているようなものです。

暗い色であれば、世界が暗い色に見えます。
明る色であれば、世界が明るい色に見えます。
透明であれば、ありのままの世界が見えます。

 いつも見ている世界がありのまま見ているように見えますが、実は、自分の色メガネで見ている事が、この浅見さんの話からもわかります。

 癖となっているため、気づかないだけで、私たちは、色メガネをかけて世界を見ています。

 悲観的な人は、悲観的に世界を見ているから、全てが悲観的に映ります。
 楽観的な人は、楽観的に世界を見ているから、全てが、楽観的に映ります。

 言い換えると自分の思考習慣が、自分の見る世界を決めている事がわかります。

 これは習慣ですから、変える事ができます。

 習慣は、トラウマのような強い刺激か、技を磨く時のような繰り返しの2つによって身につける事ができます。

 運動習慣を身につけるために以前紹介した5つのポイントをこの思考習慣にも役立てる事ができます。

1 願いをもち続ける(意識し続ける)
 (忘れないために願いを書き、見える化する。)
2 繰り返しの辛さを感じる時期を通り越すまでは続ける
 (気持ちは変化していく。永遠に辛い事はない。)
3 客観的に見えるように記録を取る
 (自分を冷静にみる機会になる)
4 成果を表現する(事実だけでなく思いも)
 (見方・考え方が変わるまで、表現し続ける)
5 支援者を作る
 (報告する相手がいると、励みになる)

ただし、思考習慣は、運動習慣よりも根深いので、なかなかすぐには変えられません。
 
 そして、陥りやすいのが、「変えられない自分を否定してしまう。」事です。

この時、
 赤ん坊が、多くの愛情を注ぎ込み、見守られ、励まし続けられることで、立って歩けるようになるのをイメージします。

「これまで自分を支えてくれた大事な自分」(古い習慣を身につけた自分)を見守り、励ましながら、新しい習慣を受け入れてくれるまで、諦めずに寄り添う感じで続ける

すると、古い習慣を身につけた自分が愛おしくなり、新しい習慣を身につけるために古い習慣を身につけた自分から協力を得ることができます。

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

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