何かに守られている
駐輪場を駐車場の横に作る事にしました。
カタログから家に設置できそうな商品を選び、工事が始まりました。
下請けの業者の方が、入れ替わり入って工事が順調に進んでいきます。
もうすぐ完成です。
工事作業の手順は、次の通りです。
砂利を取り除き、コンクリートを張る型枠を作り、地面を固めます。そして、別の業者が、商品を持ち込み、組み立てます。
その後、地面に格子状の鉄筋を張り、コンクリートを流しこみ、床をコテで磨いて出来上がりです。
それぞれ分担された業者の方が、これまでに磨いた技を使って、丁寧に手際よく作業をされる姿を見ると、素晴らしい駐輪場ができて当たり前のように感じました。
職人が自分の仕事に、責任と誇りをもっているように感じました。そして、その節目節目に監督が来て作業を見届けています。
この一連の流れは、どんな取り組みであっても当てはまる流れに思いました。
組織で仕事をする時には、必ずリーダーとフォロアーがいます。フォロアーは、分担した仕事に責任と誇りをもって任された仕事をします。リーダーがいる、いないに関わらず、動き出したら、皆同じ方向を向いて、全力を出し、よいものに仕上げていきます。
どの場面を切り取っても、よい質が見えれば、結果もよいものが出来上がります。
駐輪場工事では、物を置く場所、物の扱い、場への配慮、作業の手順、的確な指示など、様々なところに凄さを感じました。
そんなリーダーやフォロアーで成り立つ組織は、素晴らしい組織だと思います。
私たちも、いろいろな組織の中で、時には、リーダーとなり、時にはフォロアーとなる事があります。
立場が変わっても、目指す方向がわかっていれば、責任と誇りをもって進む事ができ、きっとよい仕事ができるように思います。
この組織を自分に置き換える事もできます。
私自身の身体も心も一つの大きな組織と考える事ができます。
身体は、いろいろな部位で出来上がっていますが、「生きる」ために、それぞれが精一杯働いてくれているおかげで、生きていられます。
一つでも働きをやめたり、別の動きを始めたら、健康に過ごすことはできません。
同様に心も同じです。
いろいろな自分がいますが、よりよく生きるために協力し合っている時は、前に進む事ができますが、葛藤を抱え、争っている時には、立ち止まって、前に進む事ができません。それどころか、ストレスとなって身体にも影響を及ぼす事になる場合もあります。
ここで必要になるのが、リーダーの存在です。
身体や心をうまくコントロールするリーダーは、ここには現れていません。
私は、身体の不調をいち早く察知したり、葛藤の末に決断をしたり、よりよい方向に導いてくれる自分(意思)が、リーダーだと思います。
感情に流されたり、無理をし過ぎたりと、上手くリーダーに活躍してもらっていない自分です。
思いが強過ぎて、身体に無理を強いる事も度々あります。
こうすべきだと思うと、相手への気遣いを忘れてしまう事があります。
真剣になり過ぎて、ゆとりをなくしてしまう事も時々あります。
まだまだ未熟なリーダーです。
職人の仕事ぶりを見ながら、リーダーに必要な強さ・やさしさ・ユーモアをもっと磨かねばと思いました。
そして、駐輪場が完成した時には、監督に
「いい仕事をしていただき、ありがとうございました。」
と、お礼を言いたいと思いました。