身につかない習慣
コロナの影響もあり、Webでのセミナーに参加する事が多くなりました。
視覚情報と聴覚情報を使っての情報収集になり、その場の雰囲気を肌感覚で味わう事ができませんが、講師との対面という点では、学びに集中できるよい形のように思います。
参加者同志で演習をした時に、対面した参加者の方から、「私の話から『すごく愛情を感じる。』」との感想をいただきました。
精一杯相手の事を考え、思いが相手に伝わるように演習をしましたが、「愛情を感じる」と言われたのは初めてでした。
初対面ではありませんが、2、3度同じミーティングルームで話をした程度で、それほど繋がりが強い方ではありません。素直な感想と受け取りました。
Web上ですから、視覚情報と聴覚情報だけになります。
これまで、愛情は、これに体感覚が加わって伝わるものだと思っていましたが、どうも違うようです。
よく「目は口ほどにものを言う」と言われますが、見るだけでも伝える事が可能なのですから、伝える情報が、どんな形であっても、その情報にどれほどの思いがあるのかがとても大事なのだろうと思いました。
「言霊」という言葉もありますが、私たちが発する言葉の裏にある心が相手に伝わっていくと思うと、自分自身の内側をどれだけ磨いているかがとても大事な気がしてきました。
感情的になって口から出てしまう言葉は、本心とは異なります。
また、本心を隠して飾った言葉は、やはり相手に見透かされてしまいます。
正に自分の在り方が、出ています。
自分の言葉に責任をもち、相手を大切に思う真心のある言葉を発する事が大切なのだろうと思いました。
演習では、愛情をもって選んだ言葉だからこそ、「愛情を感じる」と言っていただけたのだろうと思います。
愛情をもって話をする時には、利他的で、利己的な自分はかなり小さくなっている気がします。
演習だったため、じっくり時間をかけて、言葉を選ぶ事ができましたが、現実の世界では、相手の一挙手一投足に反応している事が多く、なかなか選んだ言葉での会話をしていないように思います。
そのために、洗練された言葉ではなく、未熟な言葉を使ってしまっている事が多いように思います。
せめて、自分の真心と言葉を一致できるように心がけるようにしたいと思います。
愛情をもった言葉が利他的であるという事であれば、まずは、相手の状況や状態に配慮した言葉が重要に思えてきました。
最近よく電話を受けると、
「今、お時間を頂いてよろしいですか?」
と言う言葉を聞く事があります。
そして、この言葉は、営業などの研修をされて広がった言葉かけなのだろうと思っていました。
そして、私は、時間がなければ、電話に出る事はないので、「何故そんな事を聞くのか?」といつも疑問をもち、形式的で、愛情のない言葉のようにとらえていました。
それで、誰もが私と同じように考えていると思い、相手が電話に出た時には、この言葉を使わずに、話し始める私でした。
でも、相手の状況や状態を把握するためには、かなり大切な言葉のように思えてきました。
思えば、日本語には、敬語があります。
上手く使いこなせていませんが、相手を敬って言葉を発するためのも大事な言葉です。
もう一度、敬語の勉強もしたくなりました。
ある雑誌の中に
「美しい心は、美しい言葉から生まれる。美しい言葉は、読書から生まれる」
を発見しました。
今回は、
「愛情深さは、愛情深い言葉から生まれる。愛情深い言葉は、読書から生まれる」
と言ってもよいかもしれません。