コロナウイルス禍で生きるとは、
私は、父の介護を始めるようになってから、毎日短い時間ですが、運動をするようになりました。
一人でベットから起き上がり、トイレに行けるだけの力があれば、歳を重ねても自分で、ある程度生活できると考えたからです。
そこで取り入れた運動は、下半身を鍛えるためのスクワット、腹を鍛えるための腹筋、腕を鍛えるための腕立て伏せです。
初めの頃は、回数を決めてやっていましたが、ある本に、限界まで挑戦する事が重要だと書いてあったので、出来るだけ回数にこだわらず、出来るだけ多くできるようにしようと心がけながら取り組んでいます。
運動しながら、気づいた事があります。
スクワットの場合、ジワジワと辛さを感じ、もう限界だと思うまでの歩みは、緩やかな坂道を登っていく感じです。
腕立て伏せの場合、ジワジワというより急に限界が現れ、もう限界だと思うまでの歩みは、急坂を登る感じです。いきなりできなくなります。
限界までの歩みは違いますが、やり終えた時の達成感や充実感は、どちらも同じです。
そして、この感覚は、目標を達成した時の達成感や充実感に似ています。
同様に、長期的な目標達成までの辛さは、スクワットのようにジワジワとやってきます。短期的な目標達成までの辛さは、腕立て伏せのように一気に大きく現れます。
これは興味深い事です。
一気に大きく現れる辛さを味わうと、すぐに避けたくなります。
この辛さを乗り越えると、達成感や充実感を味わう事ができるのですが、味わう前に諦めたり、避けてしまったりする事があるのではないかと思いました。
そこで、目標達成した時の達成感や充実感を味わうためには、長期的な目標達成には、スクワットのように地道にコツコツと努力する事が役立つのではないか、そして、短期的な目標達成には腕立て伏せのような一気に大きく現れる辛さを乗り越える強い気持ちが役立つのではないかと思いました。
それでは腹筋は何の役に立つのか。
辛さの感じ方は、スクワットに似ていますが、時間的には短く、少し違います。
臓器の入った体を動かし、腹に力を入れた感覚が、覚悟を決める時の「腹をくくる」感覚に近い感じがしました。
ということは、
目標を決める・・・・腹をくくる
になります。
運動を通して、目標達成に役立ついろいろな感情を疑似体験している事がわかりました。
例えば、失敗して辛さを感じた時に運動した時の辛さと重ねると、後どのくらいの辛さを味わえば、目標達成できるのかを見通す事ができます。
つまり、辛さを乗り越えるための指針になります。
そのた、辛さは単なる辛さではなく、次のステップにつながる楽しみになります。
このように目標達成までの感情を先取りすることで、目標が達成しやすくなると感じました。
これは大きな収穫です。
これからも運動を続け、辛さを味わいながら、感覚を磨きたいと思いました。
気づかせてくれた体に感謝。感謝。