怒った後は?
コロナ禍の影響もあり、子どもの出生数が、益々減少しています。
また、核家族やひとり親世帯の多さを考えると、子どもが育ちにくい状況が深刻化しているように感じます。
そんな現状の中、国は、子どもを取り巻く行政事務を集約するために子ども家庭庁を設置して対応を進めようとしています。
子どもが育つ環境が少しでもよくなることを期待します。
しかしながら、私は、もっと根本的な問題があるように感じています。
子どもが育つ家庭での教育は、「家庭教育」という分野になり、それぞれの家庭の主体的な学びの中で行われています。
そして、その家庭教育は、子どもが生まれてから始まります。
私は、これでは遅いと考えています。
結婚の形も多様化してきている今日、家庭に対する考え方もいろいろあると思いますが、長期的な視野に立ち、子どもが育つ家庭を築きたいと願う家庭であれば、結婚した時点から、家庭教育が始まっていると考える事が必要だと思います。
結婚は、違う二人が、縁があって1つの家族となったのです。
違いがあって当然です。この違いがあるため、問題が起きます。
そして、この問題をよりよく解決しながら、夫婦関係を深めていくのだろうと思います。
子どもが生まれてからから起きる問題もありますが、問題解決の仕方は、生まれる前の夫婦での問題解決の仕方とあまり変わりがありません。
生まれた子どもは、その問題解決にあたる両親を見て育っていきます。
夫婦喧嘩が多ければ、お腹の中の子どもは、「私は生まれてきていいのだろうか。」と不安を抱えながら生まれてきます。
穏やかな夫婦関係の中で、生まれてくる子どもは、そんな不安を抱える事はないだろうと思います。
この夫婦関係を扱う分野は、「学校教育」「家庭教育」「社会教育」のどの分野にもあてはまりません。これは個々の問題であり、行政の扱う分野ではないと考えられているため、今のところどこにもありません。
離婚を考え、実行しやすい現代社会ですから、ひとり親世帯が生まれやすい環境が整っています。
(離婚することは恥ずかしい事という時代ではなくなっています。)
これを阻止し、夫婦が平和な家庭生活を営むための「家庭教育」が必要です。
離婚の危機をどのように乗り越えるかは、もはや個人的な問題ではないと思います。
私は、人間理解に基づいた夫婦関係を扱う「家庭教育」を取り入れる事が、日本の将来にとって必要だと考えています。
夫婦の問題を解決する時、
・相手の問題だと考えていた事が、実は自分の中にある事に気づく事
・二人の違いがあるから、二人で築く新しいルールが出来る事
・互いに支え合っているから問題解決をしようとしている事
・補い合う事の大切さに気づく事
・自分の耐性を鍛える機会になる事
などを念頭において関わり合っている姿は、夫婦喧嘩ではありません。
人間理解に基づきながら、磨き合っている姿にみえます。
この姿を子どもが見た時、親から「人との良好な関係」を学ぶ事になります。
子どもが生まれる前にこのような夫婦関係が、築かれていれば、子どもは健全に育っていきます。
核家族化が進み、夫婦間の問題を一人で抱え、視野が狭くなった状態で、判断したり、決断したりしなければならない状況が増えています。
夫婦間の問題を個々の問題とせず、問題解決の知恵袋を用意できる社会にしない限り、今の状況を変えることはできないと思います。
私が考える「家庭教育」は、この知恵袋を用意することです。