損して「徳」取れ
父の介護のため、父が生活する実家を改築し、ベットからトイレまでの距離を3mほどにし、立って歩けるよう手すりを両側につけ、自力でトイレに行けるようにしました。そして、その動線から少し離れている位置にベットを設置して、父を見守れる部屋を作りました。
父がトイレに行く時は、手すりにつかまって、部屋を出て、見守り用の部屋の戸を開けて、手すりにつかまりながら、見守り用の部屋のトイレに向かいます。
私は、妻と相談の上、夜の生活を父一人にしないように、4月から見守り部屋で寝ています。
父は、夜中に何度も起きてトイレに行きますが、寝ているため気づかないこともあります。
今朝、2時頃、布団が足にかけられる感じがあり、目を覚ましました。
トイレまでの動線から外れているにもかかわらず、私の寝ているベットからずり落ちた布団をかける父がいました。
両手で体を支えながらおぼつかない足取りでゆっくり歩く父が、私のために動線から外れ、両手が使えない状態になるにもかかわらず、私を気遣ってくれたのです。
介護する側の私が、父に見守られていました。
感激のあまり、声も出せず、布団をかぶり寝ているふりをしました。
父の深い愛情を感じる瞬間でした。