留年が決まった学生へのアドバイス

須田敏男

須田敏男

テーマ:教育支援

留年が決まり、中退したいと考えている学生が、親に言えないで困っている相談へのアドバイスです。
(yahoo知恵袋 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11237435226?__ysp=44Gf44Gg44Gf44Gg44CB44Gp44GG44GZ44KM44Gw44GE44GE44Gu44GL44Go44GE44GG55u46KuH44Gn44GZ

 3時過ぎに書き込みから想像すると、悩みのせいでなかなか眠られないのでしょうね。お辛い気持ちを察します。

 また、ストレス不調で、生活リズムも崩れているようですね。
 この生活を続けると病気になってしまいます。

 心が折れないようにしっかりと自分を見つめ、「道標」を得ることが大事です。

さて、質問の件を整理してみます。

<大学中退したい>
理由
1、留年したこと
・課題における対人関係のストレス
・課題をする事に向き合えない
2、大学生活を続ける意味を感じない
・学生生活に無気力
・働く方が合っている

<自分について>
・母親の願い通りに生きられない(生きたくない)自分
・社会人として立派な両親のようには生きられない自分
・留年・中退を伝えることに怖さを感じる自分
・失敗作品といわれる自分

<ストレスへの対応>
・お酒を飲んで紛らわす

 これを元に私の考えを述べさせていただきます。

その1 体調管理
 心技体の調和が大事だとよく言われますが、今まさにこれらが不調和になっていることをきっと自覚されていると思います。ここから抜け出すために、その出口として「道標」・・・心の在り方を大切にしようとされているのだと思います。
このことは、とても素晴らしいと思います。
 答えは自分自身の中にありますから、自分自身を冷静にかつ客観的に見つめることになります。(今は微視的で、刹那的になっているため、不安定な自分ですから、正しい判断をすることは難しいと思います。)
 まずは、生活のリズムを元通りに戻すことが指標となります。
 きちんと正しく判断できる自分にするために体を整えることが第1の目標になります。
 そのためには、「悩み事」と「生活する事」を分けるとよいでしょう。

<現在>
 大学生活を続けているあなたです。バイトもしています。でも、悩み続けています。
※心の中を想像するといつも悩むことで頭がいっぱいになっていると思い ます。

<分けるとは>
現在のこの状況を改善するために、まず、自分の中には様々な自分がいると考えてみてください。
(実際にすでにあなたは、できています。バイトをするときの自分と学生生活をするときの自分ではかなり異なりますね。)
その自分が認められるならば、「日常生活をする自分」と「悩む自分」とに分けます。
 つまり、生活する時間と悩む時間を分けるということになります。
 具体的には、いつも同じ場所で、いつも決まった時間に悩みについて考えます。(※ベットの中はやめた方がよいと思います。)

 そして、その場では、思いっきり悩みます。
その時間は、悩みの解決の技を磨く時間になります。

 そして、時間が来たら、その場から離れ、悩みはその場においておきます。まるで学生が宿題をしているようなものです。

 そして、その宿題は明日までの宿題ではありません。その時間内に解決できなくてもいいことはすでにあなたは知っています。

その2 ストレス緩和
 お酒は、適量は健康のためにもよいですが、度を超すとアルコール依存になる危険があります。ストレス解消には、手軽ですが、あまりお勧めする方法ではありません。
 体の調子をリフレッシュする運動や、悩みを一時的に忘れられる趣味(音楽、読書、編み物など)などもよいでしょう。
 十分な栄養と休養がとても大事ですが、現在のところすぐには取り組めない状況にあるように思います。(悩む自分と生活する自分をうまく分けられれば、これも可能です。)
 その他、呼吸法や漸進的筋弛緩法も手軽にできます。
※お酒を飲む心地よさが癖になるまえにこれらのストレス緩和のための方法を身につけるとよいでしょう。

 「その1」の体調管理に大きな影響を与えますので、新しいストレス緩和の方法を身につけてください。

その3 悩みの解消
①「親のように生きたい自分」と「親のように生きられない(生きたくない)自分」
 親に依存している自分をよく知っておられます。自立した自分になりたいと願っているため、依存と自立の境で揺れているあなたが今のあなたではないでしょうか。
これが今のあなたを苦しめていると考えることができます。

問題が、大学生活を続けることと働くことにすり替わっていますが、本当に解決しなければならないことは、ここだと思います。

 大学進学も親の言いなりといわれますが、心のどこかであなたもそれがいいと判断していたはずです。親が言ったことにしてはいますが、自分の中で必ず葛藤があり、決断を下して今の生活を作り出しました。

「親のように生きたい。」という気持ちと「親のようには生きられない(生きたくない)」という気持ちが、自分の中にあり、「今は親のように生きよう」と自分が決めて選んだ道になります。
 その上で、大学生活を通して、「今の自分でいいのだろうか。」という疑問が湧き始めたのだろうと思います。
 そして、今、「本当に自分のしたいことは何か。」と言う問いを自分に投げかけたと思います。
本当に「自分のしたい事」と決めたのであれば、自分に責任をもち、行動することができます。
 そして、悩むことなく、その意思が、次の行動を生む力になります。

②なりたい自分は何?
 今は働く事がそれだと言われますが、出された結論は曖昧です。明確ではありません。これを明確にすることが道標になります。

 大学生活は、資格を得て、社会に出て働くための準備の時間になります。
 そして、バイトをすることで、あなたは、働くことに憧れを持たれました。(社会人の疑似体験)
 このことは、社会の中で生きる自分を想像されたからだと思います。それが、この先のあなたの人生になります。

どんな道があなたの働き場所になるのでしょう?

 これをじっくり考えることがとても重要です。バイト生活では、あなたの長い人生を支える力にはなりません。
 この先、結婚があり、子育てがあるかもしれません。老後の生活も考えなければなりません。目先のことではなく、あなたの長い人生をささえるための経済的自立が、働くことになります。
(冷静で客観的になれば、これらの事に気づきますが、今はそれができない状態になっていると思います。)

今は、その準備の時間になります。

 親に支えられながら、その準備をしているということです。この時間を有効に利用することが親孝行でもあります。(決してあなたは、失敗作品ではありません。でも、何もしないことや安易に結論を出すことが失敗につながります。)

 留年決定となったあなたが今、あなたらしく生きる出口を考え、導き出すことになります。中退も留年もどちらも選択肢になります。

 働く先はいろいろあります。あなたが体験したバイトは、社会人としてのきっかけをつかんだことになります。この経験を生かして、どんな仕事に就きたいのかを決定することになります。
 あなたの特技や趣味を生かす仕事もあります。ここで、明確にすることになります。
(今のままでは、あなた自身が中退に責任を負えません。将来を考えたら留年も可)

その4 親への対応
 親が求める理想の子どもになりたいけど、なれない・・・・そんな自分がみっともないとか情けないと思っていることはとてもよくわかります。
 明確な事実は、留年した事です。
 これを親にどのように映るのかは、あなたが想像した通りだと思います。
 ただし、そのために苦しんだ(苦しんでいる)ということは、ご両親は、ご存じないと思います。
 大学生活を過ごす中で、親の願いに合わせて頑張ったあなたがいます。
 そして、その中で、両親から教えていただいたマナーや生き方を駆使して大学生活を精いっぱい送ったはずです。
そこで、ぶち当たった壁がありました。それが、対人関係だと思います。
 ここには、親の願いの通りに生きようと頑張ったあなたがいます。でも、あなたの生きる世界とご両親と生きる世界と異なるために、うまく対応ができなかったと考えることができます。

 子どもの幸せを願わない親はいないと思います。

 あなたが幸せになるためにもう少し親の力が必要だということを訴える機会にされてはいかがでしょう。

 つまり、悩みの相談をすることです。

 留年は決まったのですから、この事実を告げることは避けられません。そして、その留年についての思いを親として感じることはそのまま受け取るしかありません。あなたを否定する発言をされても、「その通り」と受け止めるしかありません。
(ただし、あくまでも親の思いです。あなたは親とは違います。あなたが自己否定すれば親の思うツボです。「両親は、私の思った通りの事を言う。」と受け止めるだけです。自分を否定しません。)
 問題はここからです。だから、「助けてほしい。」と言います。
 あなたの将来を心配される親ですから、「これからどうするのか。」という話になる時、「その3 悩みの解消」で考え抜いた思いを語ります。
 中退するにしても留年するにしても、あなたの将来設計が明確で、責任を取るあなたが覚悟した姿を見れば、何とか支えたくなります。

 これまで以上に対人関係について両親と相談し、あなたの将来像に近づくように支援や協力をしてもらうとよいと思います。
(対処する対人関係の練習にもなります)

 両親に留年を知らせるまでの時間には、限りがあります。急がなければなりません。(両親に留年を知らせる日を決めると気持ちが変わります。)

 バイトの日はアラームで起きる・・・・切り替えがうまくできるあなたですから、できるはずです。

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

須田敏男プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

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