贈与も節税も「木を見て森を見ず」では意味がない。
「俺の財産なんだから死んだ後のことなんて知ったこっちゃない」
と言う方がいます。
言い換えれば、「死んだ後の財産の事や起きそうな問題と自分は面倒くさくて向き合いたくない。
あとは子供らが決めることだ」 ということです。
一方で
「自分の財産を自分や家族の意思に合わせて次に承継させるのは、人生における自分の責任だ」
と言って、面倒なことでも取り組む方がいます。
後者はまだまだ少数派で、周りから特別な人扱いをされたりもします。
そもそも、「財産は何か」といえば、預貯金、保険金、株、収益のある不動産など、
価値のありそうなものもあれば、古い建物(家やアパート)、荒れた庭、
耕作していない田畑、借金など、負担が大きいものもあります。
さらに言えば、責任や役割も財産ではないかと言えます。
私は、41歳までに3度の相続を経験しました。
父、祖父、祖母を見送ったのですが、前に述べた負担の大きい財産も含めて相続しました。
同時に、障害を持ち長期療養中の叔父の保護者役も引き継いでいます。
負担が大きいと言えば確かにそうですが、結局、私がやるしかないという現実がありました。
家族で向き合い、互いの覚悟と結束を胸に祖父母そろって遺言書を公正証書で作ってくれて、
実際にそれを使った速やかな相続が叶いました。
仕事として、生前対策や相続サポートを始めたのも、その体験がきっかけで、
私自身も既に、遺言書をつくってあります。
自分の財産の最後とその先に責任を持って対策するのが当たり前になる社会にしたいです。