相続対策という名のセールス
相続に関係する言葉で、「遺贈(いぞう)」という言葉があるのですが、
遺贈とは、遺言によって、相続権のない人に自分の財産を遺すことです。
実際、遺言書作成の仕事をする中で、孫や甥姪、いとこ、内縁のパートナー、
世話になった方などに財産を遺したいという方は少なくありません。
そんな中、最近、注目されているのが、
自分の遺産の一部をNPO法人や公益法人、学校、地方公共団体などに寄付する「遺贈寄付」という方法です。
人生の総決算として、遺産を自分の意思で自分が支援したい団体などに託す。
世界的大スターであるマイケルジャクソンは50歳で亡くなりましたが、
遺言で、多額の遺産の一部を生前から支援していた慈善団体に遺贈寄付しました。
アメリカなどに比べると、日本はまだまだ遺贈寄付という文化は浸透していませんが、
一生懸命貯めた自分のお金を死後、家族にだけでなく、社会貢献に使いたいという方は増えるでしょう。
遺贈寄付を実現するためにカギになるのは、「遺言書」と「「遺言執行者」と「相続人の理解」です。
遺言書の文面で指定したうえで、死後に遺族ら相続人がその想いを理解して、
場合によっては、家族の誰かに執行者として動いてもらえなければ実現しません。
また、遺贈したい財産が不動産という場合、いくら自分が良いと思っても
先方にとっては困る物もあり、受け取ってもらえない可能性も高いので前もっての確認など精査が必要です。
遺贈寄付はお薦めしたいですし、私もする予定ですが、
死後、その想いを実現するためには、先に述べたように、単独行為では困難です。
家族や専門家を巻き込んで「人生の総決算」を楽しんでください。