子どもの心の傷とその影響②
こんにちは。
子育て感情トレーナーの高澤です。
新年度が始まりましたね。
早いもので近所の桜はもう
かなり散ってしまいました。
春は出会いと別れの季節。
環境が大きく変わる時期です。
子どもたちにとっても
ストレスを感じやすい時期
ではないでしょうか。
それはひいては
親の私たちの不安やイライラの
元になることも多いと思います。
それで衝突が増えて、
つい子どもを怒鳴った、叩いた…
なんて方もいるかもしれません。
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◆対処とその結末
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怒鳴ったり叩いたりという行動は
*昂った感情(神経)を鎮める
というストレス対処でもあります。
・欲求:心穏やかに過ごしたい
↓
・望み:だから子どもには思い通りでいてほしい
↓
・現実:子どもが思い通りにならない
↓
・感情:怒り(正確には「不満」による苛立ち)
↓
・行動:子どもを怒鳴る、叩く
(目的は自分の望みに沿ってもらうこと)
↓
・反応:子どもは怯えて鎮まる
↓
・結果:自分の怒りが鎮まる
これである意味
「昂った感情を鎮める」
という目的は達成されました。
しかしその一方で・・・
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◆予期せぬ結末
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・わが子を傷つけた罪悪感
・子どもとの関係は悪化
・子どもの自尊心にダメージ
&
・人に対する安全感にもダメージ
・親としての自信は減少(自己肯定感低下)
↓
その結果
子育て(あるいはわが子)に対する
嫌悪感や忌避感が出てくる
こういった
望んでいなかった負の結末が
いろいろとくっついてきます。
あまりに割に合わないのですが、
怒りの真っただ中にいるときは
脳も交感神経系も興奮覚醒モード。
どんな人でもそのモードに入れば
理性的になんてなることができず、
「闘うモード」にハマってしまうのです。
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◆「酷い親」それは事実ですか?
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「子どもを苦しめてしまう!」
「このままではいけない!」
「なんとか克服しなきゃ!」
そう思って頑張る親御さんって
実は結構いらっしゃるんですよ。
子どもは
・可愛いんだけど
・愛しいんだけど
・大事なんだけど
怒りに囚われてしまうと
どうしても口や手が出てしまう。
/
*だから何とか克服しなくちゃ!
\
って。
わが子への愛情
と
怒りに囚われたときの行動
の
ギャップのあまりの大きさから
親御さん自身気づいていないことがあります。
それは
「克服したい!」想いの裏には必ず
★わが子への愛情
が存在している!
だからこそ回復できるんです。
実際これまでの相談者の方の多くは
ここに来られる以前にさまざまな
解決努力に取り組んでいた方が大多数です。
たとえば
・アンガーマネジメント
・認知行動療法
・マインドフルネス瞑想
・親業
・アドラー心理学
・セルフコンパッション
・仏教
・スピリチュアル
・ヨガやインド哲学
などなど
中には子どもに共感的に
接することができる自分を目指して
カウンセリングスクールに通っていた
なんて方もちらほらいらっしゃいました。
部外者の方はなんとなく
●子どもを怒鳴ったり叩いたりする親
||
●自分さえ良ければよくて
子どものことなんて考えていない「ひどい親」
というイメージを持ちがちです。
ですがそれはおそらく
偏った虐待報道の影響
ではないかと思うんです。
相談の場に訪れて
「克服したい!」
という方は少なくないですよ。
Yahoo!知恵袋でも、
ネット相談窓口でも、
・子育てがつらい
・親やめたい
・逃げ出したい
なんて訴えはたくさん見れますよね。
そんな訴えが数多くあること自体が
「どうにかしたい!」
「解決したい!」
「克服したい!」
がある証ですから。
ほんとうにわが子がどうでもいいなら、
悩むことも
わざわざ人に訴えることも
する必要がないですから。
そもそも先のイメージ通りの方は
相談になんて来られませんし。
問題の本質は
親の
「人格」でも
「性格」でも
「資質」でもなく、、、
●感情(自律神経)を調整する力の不足
●有効でない解決努力を選択
なのです。
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◆真の解決の方向性
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ということで、
怒りでわが子を怒鳴ったり叩いたり
するのをやめたい!
を実現するにはさっきの正反対でOKです。
1)感情調整スキルを身に着ける
2)有効な解決努力に入れ替えていく
こう伝えると
たまにこんな質問が出ます。
「なんでアンガーマネジメントや
認知行動療法で改善しないんですか?」
怒りに有用な方法で解決しない。
そんなときは、
その感情が、、、
/
怒りではない!
\
からです。
たとえば、、、
・傷つき
・悲しみ
・恥
といった感情に触れたときにも
怒りに「似た」反応が現れます。
言葉で言えば
・傷つき・・・「ぜったいに許せない!」
・悲しみ・・・「なんで分かってくれないの!」
・恥・・・「俺をバカにするな!」
したがって
こういった感情を消化できる
スキルが身につきさえすれば、
多くのストレスを跳ね返せる
*心の柔軟性
が育っていきますよ。
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◆それでも克服できないなら
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*子ども時代の傷つき体験
に似た刺激に触れたときも怒りに
似た反応が出てくることがあります。
しかも
とても強い反応が。
これを別名
「地雷」
と呼んでいます。
たとえば私の家族は
臆病な私をしょちゅう
笑いものにしていました。
小学校に上がったころには既に
「絶対にバカにされない!」と決めていて、
冗談でも「シャバ憎!」なんて言われると
どえらくキレていた厄介者でしたよ(汗)
そのときの感情は怒りではなく
*恥
但しその恥の引き金を引いたのは
*子ども時代の傷つきの痛み
でした。
一般的なストレス対処法では
地雷にはほとんど太刀打ちできません。
第三者の手を借りることを
オススメします。
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◆まとめ
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本当はやめたいのに怒りに駆られて
子どもを怒鳴ったり叩いたり。
克服していくには
1)感情調整力を育む
2)その上で有効な行動に変えていく
でOKというお話でした。
日常生活の中で
・心が落ち着くものにたくさん触れる
・自然に触れる
・深呼吸やストレッチを多用する
etc.
などはやりやすいのでオススメです。
しかしそれくらいでは
どうにもうまくいかない。
そんなときは怒りではない感情が
心の内側には存在していて、
それを消化することが大切、
というお話でした。
それでも克服できないなら
子ども時代の傷つきの影響が
残っているかもしれない。
もしそうならそのときは
支援者なりの第三者の手を借りよう、
というお話でした。
いずれのパターンであっても、
それは記憶、脳、神経などが
もたらす感情的な反応。
意志の力だけでは
どうにもならないものばかりです。
正しい対処の方向性を知り、
それに取り組んでみてください。
すぐには難しくても、
取り組みを続けさえすれば
きっと回復の光は見えてきますよ。
あなたの健闘を祈っています!