子どもを怒鳴ったり叩いたりしてしまう…。私、毒親?

高澤信也

高澤信也

テーマ:子育て


こんにちは。高澤です。



子育て中の親御さんがどうにかして
解決したいことの一つに「イライラ」
があります。



試しにYahoo!で
「子育て」+スペース
を入力してみてください。



検索候補にはきっと
「イライラ」
が含まれていることでしょう。



罪悪感がつくりだす悪循環

イライラもちょっとした程度なら
気にせずに流せるのでしょうが、
怒鳴ったり叩いたり、、、といった
行動にまで及ぶと、親としては
心苦しいところではないでしょうか。



落ち着いて振り返ったときに

「あそこまで言わなくてよかった…」
「叩くなんて、私はひどい親だ…」

なんて思いが湧いては罪悪感で苦しい…
なんてことも多いのです。



罪悪感は苦しいですね。



だからこそ
「怒らない自分にならなくちゃ!」
「ちゃんと子育てしなくちゃ!」
と頑張るわけです。



今だったら
アンガーマネジメントだったり
「子どもの自己肯定感を育てる」
あたりが目に付くかもしれません。



セミナーに参加したり
読書で自学したりしながら

*次こそは怒らない自分になる!

と頑張るわけです。



だけど、いざその時になると、
またもやわが子を怒鳴ったり
手をあげたり・・・。



こうなると努力してもできない自分に
ほとほと嫌気がさしてきたりして、

「私はどこかおかしいの?」
「根深い問題を抱えているのかも!」



「ああ、きっと、私は毒親なんだ…」

なんて思えてきたりして、
地獄のような苦しみを感じる。



なんとも苦しい悪循環です。



「私は毒親です」

実際に相談に来られている方の中には
わが子を怒鳴ったり叩いたりする方が
それなりにいらっしゃいます。



自らもこうおっしゃいます。

「きっと私は毒親なんです」



ではこの方たちはみんな毒親???



答えは







「ノーーーーーーー!!!」
です。



こう書くと、
「でも実際に子どもにひどいこと
してるじゃないですか!」
なんてお叱り受けそうですね。



だとしても、やはり答えは
「NOーーーーーーー!!!」
なのです。



ここでちょっと事例をお伝えします。



小3の息子の母サエさん(仮名)の事例

サエさんは息子さんに
怒りをぶつけない日がありません。



特に朝は戦争ですから、
親子で怒鳴りあいなんて
度々起こります。



あまりに言うことを聞かないときは
つい手が出てしまうこともあります。



ですが、そのあと一人になって
冷静になるとこんな思いが頭に
浮かんでくるのです。



「また傷つけてしまった」
「これじゃうちの親と同じだ」
「私は母親失格…」



これだけでも苦しいのですが、
サエさんは自分にこう言うのです。



「怒らない自分にならなきゃ!」
「子どもにやさしくしなきゃ!」



だって、私は、







「母親なんだから!」



そして「怒らない母親」を目指し、
サエさんはアンガーマネジメントの
2日間セミナーに参加しました。



講師の話を聴き、
参加者のみんなとともに練習!

失敗してもノープロブレム!



みんなで励ましあいながら、
良い部分を指摘しあいながら、
練習でどんどんうまくなっていきます。



「これなら大丈夫!」
「その場になってもやれる!」



サエさんはそう確信しました。
このとき大きな安堵感も感じました。



そして、いざわが家へ!



たどたどしいながらも、
教わったことをわが子に実践。



自分としてはうまくやれたと
思ったものの、息子の反応は
いつもと同じ。



わがままを言う。
反抗してくる。
無視してくる。



それでもサエさんは頑張って
練習したことを実践しました。



2日・
3日・・
1週間・・・
2週間・・・・・



そしてある瞬間ふと気づきます。



以前と同様
子どもを怒鳴り、手をあげる自分に。



そして確信しました。

「私はやっぱり毒親なんだ…」




ほんとうに毒親?

サエさんのエピソードを読んで
どう感じられたでしょうか。



実際にサエさんは他人から
「あなた、毒親になってるよ」
と言われたことがあると
おっしゃってました。



あなたもそう思われますか?



「何したって子どもを怒鳴ったり
叩いたりを止められないんだから、
そんなもん毒親に決まってる!!」

なんてお叱り受けたとしても、
それでもやっぱり私の答えは

「ノーーーーーーーー!!!!!」

なのです。



なぜそう言えるのか。

ではここでサエさんの背景を
ちょっとばかりお届けしましょう。




人は環境の中で生きている

サエさんは仕事をなさっています。



できることならしっかり休みを
取って息子と関わりたいという
願いを持っています。



ですが、コロナの影響で会社が危機を
迎えていて、全社体制でその改善に
努めている現状に置かれています。



さらにサエさんは管理職。

部下が苦しんでいるので自分が率先して
たいへんな業務を引き受けてもいます。



仕事を持ち帰ることも多く、
寝るのは毎日午前様。



その分子どもとのかかわりを
夫が持ってくれたらいいけど、
「父親には無理」と言ってサエさん任せ。



せめて実家の親がサポートをしてくれると
助かるのに、かえってくる言葉は、、、

「自分が親だから自分でしなさい!」



自分のことをする時間なんて
日に1時間もない。



毎日がてんてこまい。



そして朝になり、
バタバタとでかけようとすると、
お約束の息子の反抗(反乱?)。



もういっぱいいっぱいで、
深呼吸ひとつする余裕も持てず、
アンガーマネジメントなんて
くそくらえ(汗)の状態です。



感情を制御することもできず、
怒鳴ってしまう、叩いてしまう。



もちろんその行為を肯定する気は
私にもさらさらありません。



だけど、そうしたくなくても
こんな環境下に置かれていれば、
誰だってそうなってしまっても
不思議ではないと思うのです。



彼女の行動は肯定できなくても、
サエさんには同情の念を禁じえません。




この母に必要なこと

サエさんに必要なことは
なんでしょうか。



アンガーマネジメントで
怒りを解消すること?

マインドフルネスで
自分を落ち着かせること?

セルフコンパッションで
自分にやさしくすること?

アドラー心理学を学んで
良い子育て法を身に着けること?



答えはここでもさっき同様

「ノーーーーーー!!!!!」
です。



ここでの視点はいずれも
「何をすれば楽になるか?」

つまり、タスクを増やすだけの
足し算です。



サエさんにこれ以上
何を増やせと言えるでしょうか。



今のサエさんに必要なものは
たったひとつ。

それが











★心の余裕



先に挙げた方法はたしかに練習して
身に着ければ役に立つものばかり。



下手すると一生ものです。



だけど、それでも、
今のサエさんに何かを足させるのは
ただの拷問、言わば虐待です。



必要なものは
引き算
なのです。



それもあって、支援者としては
あるまじき提案をここでしました。



それは、
ここまで一緒に取り組んできた
日々のセルフケアの練習を
「今はしないことにしよう!」
という提案です。



その上でこんな提案もしてみました。



Not-ToDoリストをつくって
減らせるものは片っ端から減らす。

人に任せられるものはどんどん
投げてしまう。

官民問わず使えるサポート資源は
片っ端から使う。



これで荷物が減るとよいわけです。



あとひとつ、これはこちらから
提供しました。



先にも述べましたが、
サエさんに必要なものは
スキルでも知識でもなく、
たったひとつ

★心の余裕

です。



そのために必要不可欠なもの、
それが仲間です。



サエさんには知人レベルの
友人はいても、何もかも安心して
オープンにできる親友はいないと
いうことでした。



だったらその場をつくればいい!
ということで、コロナでお休みしていた
自助グループをオンラインで復活させる
ことにしました。



まずは手始めに、みんながいつでも
集えるような居場所として掲示板を設置。



ここを使って、サエさんや同じような
ことで苦しんでいる親御さんたちが
集うことができる。

心の内を吐露することができる。

分からないことを尋ねることができる。

一緒に考えることができる。



そして何よりも

「この悩みを抱えているのは
私一人だけではなかった!」


に気づくことができる。



こういった場を使って
ToDoではなくNot-ToDoを増やしながら、
痛みを共有できる仲間とつながりながら、
少しずつ心の余裕を取り戻していく。



その先で
セルフケアに取り組んでいく。



すると心の平安が増え、
わが子とのかかわりも
よりよくなっていく。



それがいずれ
家族みんなの幸せ
へとつながっていく。



それを目指しています。




人を責めても誰も救われない

サエさんみたいな状態で
子育てしている方は決して
少なくありません。



抱えている荷物は
とうに積載量オーバー。



心の余裕を失い、
日々生きることで精いっぱい。



だけど子育てはどこにもいかない。
消えてなくならない。



ますます余裕を失っていく。



そこに追い打ちをかけるものが
常識という名の「社会的な思い込み」。



親はちゃんと子育てすべき

母はやさしくて当たり前

子を常に愛するのが当たり前

3歳までは子育て最優先

子育ては母親の役割

etc.



非常に申し訳ないのですが、
ちょっとここで毒スイッチを
オンにさせていただきます。



不快になりたくない方はこの先を
読まないことを強くお勧めします。





【毒スイッチオン】

あのね!
正論言ってんじゃないよ!

じゃあ全く同じ状況で
同じことができんのかよ!

ひな壇から人のこと
責めてんじゃねーよ!

責められた人間に
勇気が湧くのかよ!
前向きになれるのかよ!

本気で「子どもが傷ついてかわいそう」
思うなら、その親を責める側じゃなく
サポートする側に回ってくれよ!

子どもが一番求めてるのは他人から
やさしくしてもらうことじゃないよ!
その親から愛されることなんだよ!

子どもにはほんとうに
幸せになってほしいからこそ、
その親を助けてほしいんだよ!

部外者が口だすな!
ふざけんな!!
ばかやろーーーー!!!





取り乱してしまい、
大変失礼いたしました。

以上、すべては私の価値観に基づく
私見でございます。

望ましくない表現多々だったこと、
ひらにご容赦ください<(_ _)>




「私、毒親?」と不安なあなたへ

「怒らない自分にならなきゃ」
「母親だから自分がどうにかしなきゃ!」

そんな思いで疲弊しているあなたへ。



いまのあなたに必要なことは、
心の余裕を増やすことです。



スキルを得ることでも
「良い親」を目指すことでも
ありません。



タスクを極限まで減らし
信頼できる人とつながり
頑張っている自分を慈しむ。



それが整ってもわが子を怒鳴ったり
叩いたりするのをやめられないなら、
そのときこそ毒親からの回復に向けて
動き出せばよいのではないでしょうか。



ヒトが怒り、焦り、不安あるときは
脳は闘争逃走モードにシフトチェンジ、
ケモノに逆戻りしています。



そんな状態で落ち着いて
何かに取り組むなんてことは
格闘家でも無理なことなのです。



とにかく心に余裕を増やす。



まずはここ一点に
全力投球してみてください。



「私は毒親です」と判断するのは
そのあとでも十分間に合いますから。

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高澤信也
専門家

高澤信也(心理カウンセラー)

カウンセリングオフィス トリフォリ

「私が子どもをダメにしてしまう?」と心配なママ・パパへ 〜 “自分らしく“生きる子に育つ!子育て感情セラピーで親育ち&子育てをサポートしています。

高澤信也プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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