子どもの感情表現「いやだ!」「きらい!」「したくない!」は実は大切

高澤信也

高澤信也

テーマ:子育て


こんにちは。カウンセリングオフィス トリフォリの高澤です。

うちのぼっちゃんは明日より分散登校で久しぶりの学校です。それに向けて宿題総仕上げをいま隣でぶーぶー言いながらやっています。あなたのお宅ではいかがですか?

今日のテーマはこの子どもの「ぶーぶー」(汗)です。


子どもの感情

今も隣でうちの子ずーっとわめいています。

「いやだーーー!」
「わからーーーん!」
「したくなーーーい!」
「めんどくさーーーい!」
「ちくしょーーー!!!!」

かなりイライラしとります。表情も険しくなっております。声がどんどん大きくなってまいりました。お~かなりヒートアップしてきたのぉ。

そのままリビングへ向かいました。ドアをバタン!と強く閉めました。イライラメーター急上昇中です。いや~、こわいこわい((((;゜Д゜))))

親の感情

これは子どもが感情をそのまま表現している状態です。もしあなたのお宅でも同じような状況になったとき、どんな感情が湧いてきますか?

たいていは子どもの怒りに反応して、親も怒りの感情が湧いてくることが多いのではないかなと思います。その怒りを使って子どもを静かにさせる。それが達成されたら私たち親も落ち着ける、という仕組みです。

時空を超えて現れる「予期せぬ結末」

子どもが小さいうちは親の一喝で子どもを黙らせることができます。怒りの感情を封じるわけです。すると子どもは「従順ないい子」「訴えてこない手のかからない子」といった様相を見せることが多いため、親からするとうまくいっているように感じます。だからこの方法は長いこと選ばれがちです。

しかし「感情を抑える」という方法を選び続けていると、時間の経過とともに当初想定していなかった結末が徐々に顔を出し始めます。たとえば、、、

・親に自分のことを話さなくなる
・欲求があっても訴えなくなる
・親との接触を避ける

これは「関係」にまつわる問題です。
ほかにも「子ども自身」にも影響が及びます。

・自分の欲求や感情が鈍くなる
・自信がなくなる
・ストレス耐性が脆弱になる

私は某県の行政機関でひきこもりの親御さんの支援もしており、その活動の中で多くの親御さんがわが子の「感情を抑える」という手段を通じて「立派な大人になってもらう」という目的を果たそうとしてこられた姿が浮き彫りになりました。

しかし自分のかかわりがわが子の現状を招いたなんて知る由もなかったわけです。少なくとも相談に来られる親御さんたちは、自分なりの最善を尽くして子育てをなさっていたわけですが、それを果たすための手段がズレていたという悲劇がそこにはあります。

感情表現のスキルを上げてもらう

感情は我々人間が生きていくための大切なエネルギーです。それを表現することはとても大切です。特に怒りは感情のなかでも飛びぬけてエネルギーが強いですから、それを抑えることは心だけでなく、身体にまで悪影響を及ぼします。

とはいえ、怒り任せにものを破壊したり、暴力や暴言で人を傷つけたりなんて行為は許容できません。問題は怒りという「感情」ではなく、それを表にあらわすときの「行動」です。したがって子どもたちには怒りの表現スキルを上げてもらわないといけませんね。

ということでさきほど私はこんなことをやってみました。

子どもの行動が許容範囲の場合

行動は許容できるレベルでしたので、それを前提としてやったことは、、、

①しばらく黙って様子を見る(観察)
②落ち着いてきたら何が嫌だったか穏やかに尋ねてみる(尋問ではないですよ)
③話してくれたら「それがいやだったのね~」と理解を示す
④ハグして背中をトントン

これですっかり落ち着いてくれました。よござした^^

行動が許容範囲を超えたとき

今回のわが家はさっきのパターンで行けましたが、行動が過剰になるときもあります(そんなときはたいてい親側が子どもの様子に気づいていないときですが)。たとえばゴミ箱を蹴ったり、大声で喚き散らしたり、鬼みたいな顔でにらみつけたり(これされると怖いんですよね)。

そんなときはこんなふうにやってみることもあります。

①「そんなふうにしたら怖いよ。嫌だよ」と親の感情を開示する
②「怒りを感じるのはいいよ」と許可しつつ、「でもその出し方は賛成できんよ」と行動は諫める
③「口で言ってくれんと何もわからんよ。言いたいことあるんやろ?言葉で言ってくれたらちゃんと聴くよ」と告げる

・・・言った後は責任もって話を待たないといけません・・・

④言ってくれた時はひとつ上の「許容範囲内」パターンに戻ればOK

親の私たちに求められること

以上、2つのパターンをお伝えしました。こんなことはわざわざお伝えしなくても、大抵の方はご存知でしょうし、落ち着いてさえいれば十分実行可能だと思います。

でもそれが実践となると難しい。こっちも怒りで返したり、関わるのが嫌になって無視したり。こうなるとどっちもどっちですね。

したがって子どもに感情表現スキルを上げてもらうためには、まず私たちに求められることがあります。それは



★自分で自分の気持ちをなだめられるようになること

そのために次のようなことに私は日々取り組んでいます。だってまだまだ未熟さ全開なので。

①ストレス時に自分の身体の反応を観察して感情に気づく練習
(本物の感情に気づけないと、偽物の感情に引っかかってしまうからです)

②両足をしっかり地面につけ、丹田に意識を向け、筋緊張を緩め、腹式呼吸
(これは自分で感情をなだめられるようになる練習です)

③自分が感情的動揺したときも「感情はOK」「問題は行動」の原点に立ち返る
(ふだんから度々これを自分に言い聞かせています)

日々子どもとかかわれば失敗なんて毎日のことです。自分でも残念無念と感じることばかりです。でも先のような練習をつづけているお陰で「ほどほど」の子育てはできている実感があります。

あ、もちろん子どもが私を育ててくれている側面のほうがはるかに大きいんですけどね。
「子育ては親育ち」という言葉がありますが、まさにこれがピッタリな自分です^^

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高澤信也
専門家

高澤信也(心理カウンセラー)

カウンセリングオフィス トリフォリ

「私が子どもをダメにしてしまう?」と心配なママ・パパへ 〜 “自分らしく“生きる子に育つ!子育て感情セラピーで親育ち&子育てをサポートしています。

高澤信也プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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