子どもの心を健康的に育むもの(その③)

高澤信也

高澤信也

テーマ:子育て


こんにちは。
たかざわです。

前回は
●子どもの心を健康的に育むもの
の第2位の銀メダルをお伝えしました。

今回は第1位の金メダルのご紹介です。


欠かせないものは〇〇〇

さて、この〇の中に入る文字は何でしょうか?
その答えが子どもの心育ての金メダルです。

その答えは!
「安全感」

安全感の内訳

安全感とは
「安全だ!」と感じられること。

安全なんて子どもも知っている言葉ですね
でもこれ、何を指しているのでしょうか。

まず考えつくのは
*衣食住

これがないと生きていけません。
とても大事です。

あと
*医療

これも大事ですね。
命に直結しますから。

でも安全感、これでもまだ足りません。

安心感

前回と前々回で大切とお伝えした
『感情表現』と『有能感』

こういった環境が子どもに与えるのは
*安心感
です。

「自分でいていいんだなぁ」とか
「自分には力があるなぁ」とか

そんな穏やかで平穏な感覚です。

こういった安心感も
「安全感」
に影響を与えています。

ここまで揃えばOK?
いえいえ、あと一息です。

安全感を損なうもの

ここまで書いたものって全部大事です。

でもそれ以上に安全感を左右するものがあるんです。
とくに次のようなものは安全感を著しく損ないます。

たとえば
*暴言や暴力

これがあると生命の脅威になります。
暴言や暴力が直接なされれば当然脅威となります。
それに加え、目撃することでも同じく脅威になります。

夫婦喧嘩は犬も食わないと申しますが、実際は直接やられなくても目撃するだけで子どもにとっては十分脅威になるのです。

そういった環境で育つ子の中には、家の中の大人同士の争いを仲裁しようとする子もいます。
そういった子どもは
【無用な無力感】
を抱えてしまうことがあります。

だって、
「自分は止めることができない」
に繰り返し直面せざるを得ないから。

さらに暴言暴力のような
*脅威が予測できない

これも子どもの安全感を奪います。

・いつ
・どこで
・誰が
・何を
・どのように…
脅威が訪れるかを予測できないとどうなるか。

たとえ「今ここ」では何も起こっていなくても、子どもは「また怖いことが起こるんじゃないか」「あの嫌なことが起こるんじゃないか」と警戒態勢を緩めることができません。
ずっと構えてビクビクしていないといけないのです。

これではとうてい安心感など持てませんよね。

まだあります。
ケンカや諍いこそ起こっていないけど
*冷戦状態で空気が張り詰めている

まさに一触即発を予感させる状態です。
これもさっきと同様、ずっと構えてビクビクなってしまいます。

安全感が損なわれると

こういった環境で育ち、
子どもの内側に安全感がほどよく育まれないと
いろんな副作用が先々まで出てくることがあります。

たとえば
・人と会うと勝手に神経が覚醒する(警戒体制)
・構えていることが多いので力が緩まない
・神経が昂るほど思考は低下する
・人や世の中を「危険」と判断しやすくなる
・音や人の気配などに過敏になる
・神経覚醒によりいろんな身体症状が出る

極端に言えば
戦地の前線基地にいるような状態です。

この生きづらさは大変なものです。


家庭に安全感を

ではどうすれば子どもの心に
安全感
をインストールできるでしょうか。

ここまで怖いことを書いてきました。
その分たいへんそうな気がしませんか?

でも実は私たち親は
「たった2つのこと」
をやるだけでいいんです!

それだけで子どもの心に
安全感
をインストールすることができるんです!

ラッキーですね^^
何十個もあったら大変ですもの(^^;

ではその2つはまた次回!


っていうのはさすがに意地が悪いですね<(_ _)>
ということでその2つのご紹介です。

まずひとつめ。
【親が自分の課題に取り組む】

たとえば子どもが言うことをきかなかったとします。
それにカッと来て怒鳴ったり責めたり叩いたり。

これを「躾だ」という方もいると思います。
でもこれは親側の課題です。
どういう課題かというと、、、

●「他者を思うようにできる」という前提の誤り
●対話の場で「言葉」ではなく「怒り」を使うというミスコミュニケーション
●他者が思うように変わってくれないと自分の感情を鎮められない感情調整の困難さ
などなど

さらに事例をもう一つ。

夫婦仲が悪かったり、嫁姑仲が悪かったりする家庭。
母は不満一杯だけどそれを言えずに苦しい。
そこでわが子に愚痴を聴いてもらう。
子どもは一生懸命聞いてくれるから母は助かる。

これは「やさしいわが子」で済ませられません。
ここにも親の課題があります。
それは何かというと、、、

●ストレスを自分で処理できないストレスコーピングの課題
●自分で言うべきことを表現しない自己主張の課題
●大人の問題を世代を超えて子どもに抱えさせる境界線の課題

こういった事例のほかにも
私たち親にはいろんな課題があるようです(汗)

私たち親がこういった「自分の課題」に取り組むこと。
それが子どもの心に安全感をインストールするひとつめです。

ではもうひとつ。

それは
【夫婦関係の改善】

子どもにとって両親(養育者)は環境そのもの。
エアコンでたとえるとわかりやすいです。

私たちは部屋の中にいて
暑すぎてもしんどい。
寒すぎてもしんどい。
適温(ほどほど)が一番快適。

家の空気もこれと同じです。

ほどほどに暖かくて。
ほどほどに楽しくて。
ほどほどに自由で。
ほどほどに厳しさもあって。

この適温を保つサーモスタットが
【両親の夫婦関係(仲)】
なのです。

いかがでしょうか。

①親が自分の課題に取り組む
②夫婦(家族)関係を改善する

たったそれだけで子どもの心には
★安全感
が大きく芽吹いてきます。

子どもとは言え、別の人格。
思い通りに動かせるはずはありません

過去と他人は変えられないと申します。
でも私たち親は先の2つを変えることができます。

簡単ではないですが、不可能でもありません。

わが家の食卓が笑いであふれる。
それは家族全員にとっての安全基地です。

そのために親の私たちにできることがあります。
いっしょにがんばりましょう^^

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高澤信也(心理カウンセラー)

カウンセリングオフィス トリフォリ

「私が子どもをダメにしてしまう?」と心配なママ・パパへ 〜 “自分らしく“生きる子に育つ!子育て感情セラピーで親育ち&子育てをサポートしています。

高澤信也プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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