偏光レンズや曇りにくいレンズにシミができた?
メガネは、購入したら終わりという商品ではありません。
購入後も、調整や形直しなどのアフターフォローを受けながら
使用することが前提となる商品です。
今回は、調整や型直し、フィッティングをまとめて「フィッティング」とし、
メガネを作る上で、フィッティングがなぜ重要なのかについてお話しします。
フィッティングとは
メガネは、フレームとレンズを購入しただけで、
その人に合ったメガネが完成するわけではありません。
ヒアリング、視力測定、フレーム選定、レンズ選定、加工、フィッティングなど、
さまざまな工程を経て、その人が実際に使用できるメガネになります。
人の顔は、鼻の形や耳の高さ、左右の耳の位置など、一人ひとり違います。
そのため、購入したままのフレームをそのまま掛ければ、
誰にでもピッタリ合うというものではありません。
フレームを調整し、その人の顔に合わせて、
レンズが適切な位置にくるようにする必要があります。
これがフィッティングです。
フィッティングが適切でない場合、瞳孔とレンズの位置関係がずれたり、
レンズの設計通りの位置で見られなくなったりすることがあります。
特に遠近両用レンズなどでは、レンズのどの位置を見るかによって度数が変化するため、
レンズと眼の位置関係は重要になります。
その結果、
「度数は合っているはずなのに見にくい」
「なんとなく疲れる」
「遠近両用レンズが使いにくい」
といったことにつながる場合があります。
つまり、フィッティングは単純に「メガネがずれないようにする作業」ではありません。
レンズの性能をきちんと発揮させ、
その人が快適に使用できる状態にするための重要な工程なのです。
フィッティングしないとどうなる?
メガネを使っていると、
「何もしていないのにメガネが歪んできた」
「いつの間にかメガネが曲がっている」
と言われることがあります。
実際には、何もしていないように見えても、
毎日使用する中で少しずつ変形していくことがあります。
例えば、服であれば、一日着れば洗濯すると思います。
しかし、メガネは一日の大半を掛けたまま、何ヶ月、何年と使用する方も少なくありません。
掛け外しを繰り返したり、寝ている間に踏んでしまったり、
どこかにぶつけたりすることもあります。
さらに、皮脂や汗、整髪料などが付着することで、
フレームやパーツが劣化することもあります。
そのため、メガネも定期的な洗浄やメンテナンスが必要になります。
そして、少しずつ変形したメガネをそのまま使用していると、
レンズの位置も本来の状態からずれてしまうことがあります。
「見えるから問題ない」と思っていても、購入時とは違う状態になっている可能性があります。
だからこそ、購入後のフィッティングも重要になります。
フィッティングはいつしてもらえばいい?
では、どのくらいの頻度でフィッティングをしてもらえばよいのでしょうか。
これは、使用する人によってかなり違います。
大人の場合、3ヶ月程度で調整に来られる方もいれば、
2年以上使用して初めて持ってこられる方もいます。
また、「自分で直そうとして、逆にフレームが歪んでしまった」というケースもあります。
子どもの場合は、もっと頻繁に変形することがあります。
購入した翌日に、フレームを大きく曲げて持ってこられることもあります。
そのため、個人的には、「半年に1回必ずフィッティング」
というように期間だけで決めるよりも、
「メガネがずれた」「掛け心地が変わった」「左右の高さが違う気がする」
「レンズの位置がおかしい気がする」
など、違和感が出た時点で購入店に相談するのが良いと思います。
ただ、「自分では変形しているか分からない」という方であれば、
半年~1年に一度くらいを目安に、購入店で状態を確認してもらうのも良いでしょう。
自分でメガネを直してもいい?
メガネが曲がっていると、「ちょっと手で曲げれば直るかな」と思う方もいると思います。
しかし、これはあまりおすすめしません。
フレームは素材や構造によって、曲げられる方向や力の加え方が違います。
無理に曲げると、フレームがさらに変形したり、レンズが外れたり、
最悪の場合は破損することもあります。
特に遠近両用レンズなどは、フレームの状態が変わることで、
レンズと眼の位置関係にも影響する場合があります。
「少し曲がっただけだから」と自分で直すのではなく、購入店に持っていく方が安心です。
フィッティングは誰にお願いする?
購入したばかりのメガネでも、
「鼻や耳にうまく合っていない」
「左右の高さが違う」
「掛けるとレンズの位置がずれている」
ということがあります。
一方で、お客様からすると、「購入時にフィッティングしてもらったと思う」
というケースもあります。
そのため、フィッティングについて相談するのであれば、
眼鏡作製技能士など、眼鏡作製に関する知識と技能を持った人に
お願いするのが安心だと思います。
特に1級眼鏡作製技能士は、眼鏡作製に必要な知識・技能を
より広く、深く身につけている資格です。
もちろん、2級眼鏡作製技能士や、旧認定眼鏡士のベテランなど、経験豊富な技術者もいます。
大切なのは、資格だけで判断するのではなく、「この人なら自分のメガネを任せられる」
と思える技術者や眼鏡店を見つけておくことだと思います。
現在は、眼鏡作製技能士が在籍していることを明示している眼鏡店もあります。
日本メガネ協会の技能士一覧などから、近くの眼鏡作製技能士を探して、
その方を指名して相談してみるのも一つの方法です。
実際に使っていく中で、少しずつフレームが変形したり、
使用環境によって状態が変わったりします。
そのため、「買ったときに合っていたから、ずっとそのままで大丈夫」
というものでもありません。
定期的に状態を確認し、必要に応じてフィッティングを行う。
これもメガネを快適に使うための大切な工程です。
また、眼鏡店によっては、洗浄やネジの確認、鼻パッドの交換など、
さまざまなメンテナンスにも対応しています。
こうした購入後のアフターフォローまで含めて、メガネを作ることだと私は考えています。
まとめ
メガネにおいて、フィッティングは非常に重要な工程です。
単純に「メガネが落ちないようにする」「掛け心地を良くする」というだけではありません。
その人の顔に合わせてフレームを調整し、レンズと眼の位置関係を適切にすることで、
レンズの性能をできるだけ発揮させることも、フィッティングの重要な役割です。
だからこそ、メガネを購入するときは、価格やレンズの性能だけではなく、
「購入後もしっかり調整してもらえるのか」ということも、
お店選びのポイントにしてほしいと思います。
そして、メガネについて困ったときに相談できる、
信頼できる眼鏡作製技能士を見つけておくことをおすすめします。
メガネは、作って終わりではありません。
測定・レンズ選定・加工・フィッティング、
そして購入後のアフターフォローまで含めて、メガネ作りだと私は考えています。
次回は、「同じ度数なのに、レンズによって見え方が違うのはなぜ?」について。


