アジア最大級の眼鏡展示会iOFT2024
『このフレームにレンズを入れることはできますか?』
『父親が使っていたフレームですけど、レンズ交換してください』
と、相談されることはあります。
今回は、フレームが大きすぎてレンズが削れことがあるかについて。
フレームが大きすぎてレンズが削れないことがある?
レンズは丸生地で届き、大体直径が65~75mmとなります。
また、レンズの種類によってはレンズ径が変えられないことがあります。
その場合、PD(瞳孔間距離)によっては、
持ち込まれたフレームや販売しているフレームの
フレーム枠に削ることができないことがあります。
そのため、『前のフレームがあるなら、レンズ交換しますよ』と言っても、
できない場合があることも、考えてもらえてると助かります。
削れない場合はどうする?
削れない場合は、
①フレームを変えてもらう
②レンズの種類を変えてもらう
③レンズ径を指定、または『偏心』して注文する
という3点になるかなと。
①については、一番簡単だし、無難かと思います。
ただ、せっかく決まっていたフレームを選べないし、
まして、家族からもらったフレームに入れれないので、
困ることはあります。
②については、金額が高くなることがあるし、レンズ発注した後にわかった場合は、
眼鏡店もそのレンズ代をもつことになるので、あまり提案したくはないです。
③レンズ径についてはレンズの種類(設計など)によっては指定できない場合があり、
『偏心』については光学中心をズラすため、店によっては追加料金がかかる場合があります。
また、論外ですけど、
④PDを許容範囲内、またはそれを無視して削ってしまう
ということもあり得ますが、本当に論外と思います。
誤差の範囲内のギリギリで、ズレないように正確に削るならまだ良いですが、
本来のPDとは異なるので、あまりお勧めはしないです。
もちろん、削ってしまえば、見た目は変わりません。
ただ、本来のPDとは異なるので、疲れや違和感など
様々な要因につながる可能性があります。
レンズが入るかどうかは事前にわかる?
手っ取り早いのは、レンズの種類(設計・素材・コーティングなど)を決めて、
トレーサーに掛けてから、メーカーに発注してみること。
無理な場合は、発注エラーとなります。
ただ、薄形加工やインディヴィジュアルなどでなければ、
トレーサーを使わず、丸生地で注文するため、
少し手間になる上、発注するまで、お客様に待ってもらわないといけなくなります。
そこで、簡易的な公式に当てはめるのが良いと思います。
FPD-CD+玉形横幅(※玉形最大径)
この公式を使って、ボクシングシステム・PD・フレームの最大径・レンズ生地の直径
の数値がわかれば、問題ないかを核にすることができます。
例えば、58□14、PD62、玉形最大径57mmで、
レンズ生地65mmの場合、
72-62+57=67となり、
レンズ生地65mmでは削れないこととなります。
これがPD66の場合、
72-66+57=63となり、
レンズ生地65mmでも十分に削れることがわかります。
ただ、この公式が簡易的なものであること、
レンズの端2mmは液だまり(液だれ)が起こっている可能性があることから、
必ずしも、当てはまるわけではなく、あくまでも目安ということとなります。
まとめ
どんなフレームでもレンズが入れられるわけではなく、
フレームが大きすぎる、または小さすぎる場合は、
PDによってできないことがあります。
眼鏡店側からしても、丸レンズが手元ない限りは、
簡易的にしかわからないため、レンズの種類によっては、
そのフレームにレンズが入れられないことがあることを、
知っていただくと助かります。
次は、『レンズの幾何学中心と光学中心、偏心とは』について



