レンズの中心がズレているメガネを使うと?
『ブルーライトカットのレンズを買ったはずなのに、
青色のペンライトやレーザーポインターの光が通過している』
という話を聞きます。
これについて、『ブルーライトカットされていないのではないか?』
という疑問が起きると思うため、簡単に。
眼鏡店のパフォーマンスと説明不足と誤解
自分自身は誤解されるのが嫌なので、あまりやらないですけど、
ブルーライトカットされているかを確認するため、
青色のペンライトやレーザーポインターで、
光が遮断されていることを、お客様に目視してもらうことがあります。
パフォーマンスなので、当然、レンズに青色光を通すと通過せず、
大抵はお客様も納得されるので、眼鏡店がそれ以上に説明することはないと思います。
その後、購入したメガネに、ご自身で用意したペンライトやレーザーポインターを使用すると、
光が通過することがあります。
この際、『だまされた』『嘘だった』と思われ、
眼鏡店が知らないうちに信用を落とすことがあるかもしれません。
ただ、これについては、多くの場合はパフォーマンスと説明不足による誤解と思います。
この誤解を生む理由は、ペンライトやレーザーポインターの波長になります。
そもそもブルーライトカットとは
ブルーライトカットとは380~500nmの波長をカットしています。
つまり、色で言うと、紫・藍・青色となります。
そして、この380~500nmについては、
100%カットされているわけではありません。
特に青色光については、カット率でみると低いと感じると思います。
そのため、使用したペンライトの波長によっては、通過するということになります。
レーザーポインターのように強い光ならなおさら。
ちなみに、ブルーライトカットされていない透明のレンズでも、
多少なりともカットされていることもあります。
※HOYAのヴィーナスガードコートで5%程度はカットされていると思います。
具体的なカット率
具体的にレンズメーカーHOYAのブルーライトカットを参考にすると、
ヴィーナスガードコートラピス・クリアカット420・レイガード435などが、
ブルーライトカットの商品(付与機能)となります。
ヴィーナスガードコートラピスは、
ブルーライトを435~440nm付近で約15%カットしています。
ヴィーナスガードコートのブルーライトカットされたコーディングで、
透明なレンズですが、レンズ表面の反射光が、紫色または青色に見えます。
透明なレンズでブルーライトカットされているものは、大抵、同様の反射光となります。
クリアカット420は、若干青色がかかった色のレンズですが、
このレンズを使用したメガネでは、色が入っていると気づく方はほとんどいないと思います。
カット率としては、420nm付近で約50%、435nm付近で約10%カットされています。
ということは、420nmのペンライトなどを使用すると、
減光はするものの、半分は通過することとなります。
これが440nmの光であればなおさら。
レイガード435は、基本色として青・茶・黄・ピンクのレンズです。
基本色以外が良い方は、追加でカラーを入れることができます。
カット率は420nm付近で約65%、435nm付近で約20%カットされています。
これでも、クリアカット420と同様に通過する青色光があります。
クリアカット420にしても、レイガード435にしても、
410nm以下になれば、90%以上カットされています。
つまり、ペンライトの波長と、光束lm(ルーメン)によっては、
光が通過する可能性があるということになります。
※ヴィーナスガードコートラピスは、
クリアカット420やレイガード435と合わせて付与することができますが、
どのくらいカットされているかについては、今回の説明では省きます。
まとめ
ブルーライトカットされているかを見てもらうために、
眼鏡店で青色のペンライトなどを用いることは、
お客様に体感的に理解してもらうためには有効です。
ただ、事前に波長を確認したペンライトなどを利用しており、
それに頼ると説明不足に陥りやすく、お客様ご自身で同様の実験をすると、
同じような結果がでない可能性があります。
その際は、レンズメーカーも資料を公開しているため、
レンズの商品名と、使用したペンライトなどの波長や光束を
確認してもらうと、良いと思います。
次は、『フレームは取扱店でないと、部品をとることができない?』について



