ガチャ目とは

来店されるお客様の中に、たまにガチャ目の方がおられます。

ガチャ目になっていると知っている方の多くは、
眼科へ受診されており、知らない方は受診されていない場合が多くあります。

眼鏡店では、『ガチャ目です』という診断ができないため、
正直なところ、眼科で自身の眼の状態を知ってもらっていると、
診断を避けながら説明しなくて良いので、結構助かります。

ガチャ目とは

ガチャ目とは、両眼の視力に左右差があることを言います。

一般的に視力差が0.5以上あることを指すと言われますが、
視力2.0と1.5の場合などは、特に不具合があるわけではないと思うので、
わざわざガチャ目と、言わないと思います。

ガチャ目になると、モノが2重に見えたり、気持ち悪くなったり、頭痛がしたり、
疲れやすかったりなど、様々な問題が生じます。

ガチャ目にならないためには、子どもの頃の眼科受診が大事と思います。
大人の場合も、急にガチャ目になっているなら、眼科へ受診してください。

眼鏡店では、度数や視力の記録を取っているため、
急激に変化している場合は、メガネを作らず、
先に眼科への受診を勧めると思います。

診断や治療に関しては、眼鏡店ではできないので、眼科医へ相談してください。

ガチャ目でも問題ない人がいる？

普通にメガネを作りにきたお客様で、ガチャ目の方がおられますが、
ガチャ目でも気にならずに生活している人もいます。

大抵の場合、片方の眼に抑制がかかっており、
両眼を開いていても、片眼のみで見ている状態になっており、
特に支障がないようです。

こういう方には、ガチャ目とは言えないので、
『一度、眼科に受診した方が良いかもしれないです』と促します。

ガチャ目の利点？

ガチャ目の利点というのは、個人的にはないと思います。

ただ、中には、片目隠したら近くが見えるし、
逆にしたら遠くが見えるので便利という方も稀におられます。

そういう方は、通常の状態では抑制がかかっているため、
生活に支障がない方が多いのかなと。

ただ、問題になるのが、両眼視や同時視、立体視ができないこと。

両眼視ができなければ、同時視ができない。
同時視ができなければ、立体視ができない。
立体視ができなければ、立体的にものを見ることができない
ということになります。

片目を瞑った状態では、立体感がなくなると思います。

人によっては、経験則などで補完していたりするので、
立体感はあると言い張る方もおられますが、
両眼を開いているときに比べて、
飛んでくるボールを取るなどの行為が難しくなったりすると思います。

加えて、抑制がかかっているなら、中心視野も狭くなります。

ガチャ目はメガネで補正できる？

ガチャ目の問題をメガネで解決しようとすると、
度数差の問題がでます。

度数差が2.00Dを超えると不等像視となり、
大抵の場合、ガチャ目は度数差が2.00Dを超えているため、
メガネによる最大視力での補正は困難と思います。

度数差が2.00Dを超えるとダメな理由として、
レンズによる像の拡大縮小が原因となります。

右目で見ているものと、左目で見ているものの大きさが、
大きく違っていると、両眼視はできなくなります。

そのため、メガネよりも、コンタクトや手術、
度数が軽い場合はオルソケラトロジーなどの手法になるため、
眼科での処置となります。

それでもメガネで補正するには？

それでもメガネで補正してほしいという要望は、当然あります。

裸眼ではきついし、コンタクトを常時使うことは難しいし、
眼科で手術をするほどでもないと言われた、
手術したくない人にとっては、メガネしかないです。

なので、眼鏡作製技能士は、完全矯正値・度数を変えた時の視力・利目・使用状況など、
様々な情報と持ちうる知識・経験をもって仮説を立て、その人に合わせて補正します。

病的な部分では対処できませんが、光学・工学の部分でサポートしてくれると思います。

人によっては、かなり難しい場合もあるものの、眼科で受診した後に、
相談してみるのは有りと思います。

まとめ

・ガチャ目は両眼に視力差があること
・度数差が2.00Dを超えているとメガネでの補正は難しい

ガチャ目の診断や治療は眼科となります。
メガネで何とかしたいと思われる方は、
眼鏡作製技能士に相談してみると良いです。

ただ、何かしらの疾患がある可能性もあるため、
安易に考えずに、眼科への受診は必要と思います。

次は、『強度・軽度近視における度数1段階の意味』について