明視域とは?
『レンズ枠が大きいフレームの方が、周辺もよく見えますか?』
という相談はよくあります。
周辺の意味が、横目なのか、周辺視野なのか、よくわからなかったので、
詳しく聞いたところ、大抵の場合、
周辺視野でも文字が見えるくらいの視力がほしいとういことでした。
今回は、レンズ枠が大きいフレームなら、周辺視野でもよく見えるのかという点について。
視野について
まず、視野については広い人もいれば、狭い人もいます。
そして、視野には大きくわけて、中心視野と周辺視野があります。
さらに、一般的な視力検査では、中心視野での視力を測定し、
周辺視野はあまり気にしていないと思います。
周辺視野の視力を気にしない理由
基本的に周辺視野の視力測定できないと思います。
測定できたとしても、視力0.01以下とかではないかなと。
これは自分で体感することができると思います。
まず、大きな文字が書かれた紙を目の前に持ってきます。
そして、眼を動かさずに、その紙を少しずつ中心から移動させていくと、
おそらく10°くらいズレてしまうと、もう読めなくなるのでないかと思います。
これは片眼の方が比較的楽とは思いますが、結局、同じように見えないかと。
周辺視野で見えない理由
中心視野と周辺視野では使っている細胞が違うというのが大きな理由かなと思います。
錐体細胞は網膜の黄斑部の中心にある中心窩の周囲に集まっており、
桿体細胞は周辺部にあります。
それぞれ役割が異なり、簡単に分けると、
錐体細胞:
中心視野、昼間、中心部を見る、光は多く必要、視力が高い、色を見分ける、文字を読むなど
桿体細胞:
周辺視野、夜間、周囲を見る、光は少なくて良い、視力が低い、単色のみ、文字は読めないなど
という特徴があります。
そのため、結論を言うと、レンズ枠を大きくしても、
周辺視野での見え方はあまり変わらないと思います。
レンズ枠が大きいメリット、小さいメリット
眼球が正面を向いている状態を第一眼位といいますが、
中心視野で物を見る際は、第一眼位でないといけないわけではないです。
そのため、横目を使う人には、レンズ枠が大きいメガネだとメリットはあります。
その場合は、できるだけユレ・歪みが少ない設計が良いレンズを選定した方が良いです。
ただ、横目ばかり使っていると疲れるので、
基本的には第一眼位で物を見ることが多いと思います。
なので、咄嗟に視線を動かす人ということです。
レンズ枠が小さいメガネのメリットとしては、
集中して近くのものを見る老眼鏡には良いと思います。
老眼鏡を掛けた状態で遠くを見るのは良くないので、
眼を動かせば、メガネを掛けた状態でレンズ枠から視線が外れる
レンズ枠が小さいフレームは、使い勝手が良い場合があります。
ただし、一概には言えないため、眼鏡専門店で眼鏡作製技能士に聞くのが良いと思います。
まとめ
周辺視野で物を見るというのは、文字を見るのか、周囲の状況を察知したいのかなど、
その要望によって、意味が変わってくることがあります。
眼鏡作製技能士には、幅広く学んでる人もいるし、経験豊富な方もいます。
メガネを購入する際、ご自身が目的とするものが何かを相談して、
それが可能なのか、代替案があるのかなど、擦り合わせした方が、
購入後の満足度につながると思います。
次は、『フレームが壊れた時の対処』について