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子どものビジョントレーニングに使える玩具

豊福祐史

豊福祐史

テーマ:勘違いしやすい眼の話

弱視訓練用のメガネを求めて、来店されるお客様が多くおられます。
幼少期の場合、補助もあるため、強さのあるフレームを求められる保護者の方は
多いみたいです。

ただ、眼鏡店は子どもにとっては面白くない場所と思うので、
当店の場合、玩具を用意してます。

ただ、普通の玩具では面白くないので、
勝手にビジョントレーニングもしてもらおうかと思い、集めてきました。

ビジョントレーニングとは?

ビジョントレーニングを、『視力が上がるトレーニング』
と思われている方が多くおられます。

ビジョントレーニングをすることで、確かに、視力が上がることがありますが、
それはあくまでも副次的な効果であり、単純に元の視力に戻っただけの場合がほとんどと思います。

ビジョントレーニングの定義は人によって解釈が違うため、
曖昧な部分もあると思ってますが、簡単にまとめると、
『視覚』『聴覚』『触覚』『前庭覚』『固有感覚』の感覚統合のトレーニングと考えてます。

能動的な『みる』と、受動的な『みえる』は違うし、
一言に『みる』といっても
『見る』『観る』『視る』『看る』『診る』など、様々な意味があります。

また、ある動作に対して、体が反応しなければ『みえている』わけではないと思います。
例えば、車がぶつかってきたから避けるために『みる』。
キャッチボールで飛んできたボールを捕るために『みる』。
何があったかを確認するために『みる』。
ある知識を得るために本を『みる』。

『みる』という行為は入力機能であり、動作という行動に出力する必要があります。
なので、ビジョントレーニングは『視力』だけのトレーニングではないということです。

ちなみに、ビジョントレーニングの対象は子どもだけではなく、大人も含まれます。
また、アスリートでも積極的に取り入れている方は多くおられます。

玩具でビジョントレーニング?

ビジョントレーニングを行う際、トレーニング器具として様々な物が利用可能と思います。
その中で玩具は、子どもが身構えることなく、遊びながらトレーニングを行えます。

『眼と手の供応操作』『動体視力』『遠近感』『記憶』『反射』『視野』『判断力』『認知』など、
身近な玩具が何のトレーニングになるかを考えてみるのも面白いと思います。

こういう風に書くと、『別にビジョントレーナーは必要ないのでは?』と考える方もいます。

ビジョントレーナーの役割は、『その人に必要なトレーニングが何か?』『足りていないものは何か?』
を見立てることにあると思います。

例えば、『このトレーニングは視野を鍛えるのに良い』ということがわかっても、
それが適切なトレーニングなのか、どの程度やれば良いのか、トレーニング後にどうなっているのかなど、
判断するのはビジョントレーナーだと思います。

トレーナー指導の下でトレーニングするか、自主トレするかの違いと同じです。

当店に置いてある玩具について

最近は趣味になりつつある玩具集めですけど、
ビジョントレーニングになると思った物を紹介します。

・玉転がし(スロープ)
 上から玉が転がっていく玩具。
 転がった玉を眼で追うため、眼球を動かすトレーニングになってます。
 タブレットで同じ物の動画を見せる場合、視点が固定されているため、やっぱり実物の方が良いみたいです

・空中コマ
 磁石の力で空中に浮いた状態でまわるコマ。
 まわすときは力加減が難しく、浮かすときはバランスを取って慎重に挙げないと行けないため、
 力加減と集中力のトレーニングになります。

・スフィアボール
 遠心力で一瞬で大きく開き、小さく閉じる構造をしたボール(?)。
 これでキャッチボールをすると、投げた瞬間に大きくなり、
 キャッチすると小さくなるため、ピントを合わせるトレーニングになってます。
 わざとスナップをきかせずに投げると、開かないので、混ぜこぜにすれば、より効果的と思います。

・3Dテトリス
 実物版のテトリス?。
 狙った場所に落ちず、ズレたりすることがあるため、眼球運動と予測のトレーニングになります。
 狙った場所に落とすことが下手な場合、保護者の方に『国語のテストが苦手ではないですか?』
 と聞いてみると、その通りだったりします。
 これは文章を読む際、読み飛ばしや読み戻しがあり、内容が混乱するからになります。

・マグフォーマー
 磁石がはいったプラスチックの玩具。
 発想次第で、様々な形を作る人が多く、図形の展開を知るのによいと思います。
 これは認知のトレーニングになってます

まだ他にもありますが、玩具といえども、様々なトレーニングにつながります。
また、子どもだけでなく、大人のトレーニングにも有効な場合もあります。

これらの玩具のおかげで、眼やメガネについて、保護者の方に説明する時間ができると同時に、
勝手にビジョントレーニングにつながることをやってもらえます。

まとめ

・ビジョントレーニングは視力向上のトレーニングではない
・ビジョントレーニングは『視覚』『聴覚』『触覚』『前庭覚』『固有感覚』の感覚統合のトレーニング
・ビジョントレーナーは見立てることで適切な指導を行うトレーナー
・玩具もビジョントレーニングの器具になる

ビジョントレーニングは、運動でも勉強でも、その他のことでも、土台を構築するトレーニングになります。
身近なものでもビジョントレーニングにつながるものは多いため、色々と考えてみると面白いと思います。

現在、ビジョントレーニングは、要望があった場合と、必要と思った方にのみやっており、
特に教室などを開いているわけではありません。

もし、興味がある方がいれば、ご相談していただければ。

次回は、『夕暮れ時や建物内などで、サングラスをかけている人がいるのはなんで?』について

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豊福祐史
専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

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