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賛否両論ありますが、レンズ保証してくれる眼鏡店は多くあります。
ただ、レンズ保証でレンズを交換する際、
『前のレンズはもらえないですか?』という方が少なからずおられます。
今回はレンズ保証で、使えないレンズをなんで店に返却するのかについて。
レンズ保証とは?
レンズ保証とは、不具合があった場合に、レンズを交換する、
いわゆる施工保証です。
①眼鏡店のミスによって、作製したメガネに問題がある場合
②作製したメガネが視力検査と同じ度数でも、フィッティングしても、
1週間以上経っても慣れない場合
こういう場合などでレンズ保証します。
あくまでも『見え方』に対する保証であり、
お渡しした後、こけてできた傷などは対象外です。
このあたりは明言せずとも、当たり前のことと思います。
意図的でなくても、壊したなどの保証については自己責任のため、
明言されてない限りは、該当しないはずです。
例えるなら、服を買って、引っかけて破いたので、
新しいのに交換してほしいというのと同じです。
なので、レンズ保証を明言している店でも、注意書きにその旨は記載されていると思います。
また、処方箋などの場合、度数が異なっていても、眼鏡店では視力検査を行っておらず、
処方箋に書いてある通りにしか、メガネを作製できません。
そのため、作製ミスでなければ、眼鏡店に責任はありません。
そこで疑問に思われることは、なんで、処方箋で作製したメガネまで、
レンズ保証をする店が多いのかという点になります。
なぜ、処方箋のレンズ保証までしてくれる店がある?
処方箋の場合、『レンズ保証のレンズ費用は誰が持つんですか?』
とお客様からよく聞かれますが、もちろん、眼鏡店がもちます。
処方箋はその指示通りに作らなければならないため、
その指示通りに正確に作れば、眼鏡店に不備はないです。
それなのに、レンズ保証する理由を不思議に思われるお客様が多いようです。
この場合も、レンズ保証しているほとんどの眼鏡店では好意で交換しています。
眼鏡店が保証料などを取らず、レンズ保証をする理由をいくつか考えてみると、
①処方箋の度数については、眼科や視能訓練士の先生方が測定しているため、
簡単に保証交換にならないと信頼している
②処方箋でも、病気などの理由で短期間で変化する場合、
交換時期が短いため、お客様の負担を軽減してあげたいと考えている
③1年以内にレンズ交換する必要がある可能性がある場合、
必ず、病院側から本人または保護者に、その理由も説明されているはず
など、店によって、考え方や理由、事情は様々と思います。
特に、お子様の弱視の場合、費用負担がレンズ入れ替えの妨げになってはならないため、
お客様や病院側の事情を考慮し、保証してくれる眼鏡店は多くあります。
あくまでも保証なので、濫用や不正利用には問題があります。
物損の保険とかでも、意図的に行う場合は、
法的にも道義的にも問題はあるので、それを実行する人は少ないとは思います。
そのため、レンズ保証については
『保証というものは正しく理解して、使ってもらいたい』と願い、
『必要な人は、遠慮なく利用してください』
と考えている眼鏡店が多いのではないかなと。
ただし、自店の不手際を除いてレンズを保証交換する場合、
当初のレンズから変えることもあるとは思います。
返却されたレンズはどうするのか?
返却されたレンズについては、普通に廃棄します。
『他のお客で使うのでは?』と思われる方もいるかもですが、
近視(遠視)・乱視・軸度・PD・フレーム枠の形など、
様々な条件が重ならないと使用不可能です。
専門店の多くが常備レンズを置かない理由として、
網羅するには数が多すぎると説明したことがありますが、
レンズ転用が難しい理由も同じです。
ある程度絞って、簡単に計算してみます。
近視(or遠視):S-10.00~+10.00≒20×4=80段階
乱視:C-0.00~3.00≒3×4=12段階
軸度(5度単位):180度/5度≒36段階
80×12×36=34560
1/34560=0.28935=0.0028935%
レンズの種類を度外視したとして、ぴったり合う確率は
0.0028935%となります。
つまり、万に一つよりも低い確率でしか、合う人はいないです。
もちろん、S-10.00やS+10.00などの人は少ないため、
もう少し、確率は上がります。
でも、この確率の低さに加え、PDやフレームの形などの条件が入るため、
フレームのボクシングサイズも、より小さいものしか選べなくなります。
こういう理由で、一度削ってしまったレンズはほぼ使用できないため、
廃棄することになります。
廃棄するなら、前のレンズをなぜ返してもらうのか?
前のレンズを返してもらう理由は、保証によるレンズ交換は『2組目無料』ではなく、
『施工保証』であり、濫用や不正利用を防ぐためです。
眼鏡店の不手際に起因する場合、保証するのが当たり前です。
また、条件付きで保証(半額保証なども含む)をする場合もあります。
レンズ保証というと、
『安価なレンズ価格を2倍にしていたり、保証料を上乗せしているのでは?』
と思われる方もいると思います。
多分ですけど、そういう眼鏡店はほとんどないと思います。
ただ、保証の不正利用は道義的にも、法的にも問題はあるものの、
店側としては判断つかない場合がほとんどです。
レンズ保証を濫用するお客様や病院は少ないと思います。
ただ、店側の最低限の防衛策として、本当に必要なのかを処方箋で確認した上で、
レンズは返却してもらいます。
まとめ
・レンズ保証はあくまでも『見え方』に対する保証
・レンズを返してもらうのは、『2組目無料』ではないため
・処方箋でもレンズ保証するのは、測定者を信頼しているため
レンズ保証というのは、あくまでも眼鏡店の不手際によるものの保証です。
ただ、測定者が自店でない処方箋でもレンズ保証する理由は、
短期間で度数が変化する場合はあるし、
眼科医や視能訓練士を信用しているため、お客様の不利益にならないよう、
利益度外視で行っている店は多くあります。
そのため、処方箋のレンズ保証については、
濫用や不正利用は避け、利用する場合は、処方箋は必ずもらってください。
ただし、眼鏡店で測定し、『見え方』に問題ある場合は、
遠慮なく言った方が良いと思います。
眼鏡店もメガネを『雑貨』ではなく、見えるために使用する『一般医療機器』として
認識してほしいため、できる限りの対応をしてくれるはずです。
次回は、『眼鏡店ではあまり病院を指定しない?」』について