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樹脂フレームを温めすぎると?

豊福祐史

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テーマ:意外に知らないフレームの話

アセテートなどの樹脂フレームを調整する際、眼鏡店ではヒーターを使います。
ヒーターを使って調整していると、『熱を加えて大丈夫?』と疑問を持たれる方もおられるようです。

樹脂フレームに熱を加える理由

樹脂フレームにをヒーターで温めていくと、軟化してきます。
その性質を利用して、レンズを嵌め込んだり、テンプルを調整、
変形したフロントの形直しなど、様々な作業を行います。

樹脂フレームを温めずに、無理矢理、レンズを入れたり、曲げた場合、
クラックが入ったり、折れたりします。
それを防ぐために、温めるという作業が必要となります。

過去に、お客様にどうやって調整するかを説明するため、
自分のメガネを使ってテンプルを曲げてましたけど、
ハイブランドでも数年、そんなことをやってると、
さすがに折れた経験があります。

樹脂フレームを温めすぎると?

樹脂フレームは体感的には、大体50~60℃くらいに温めてるかなと。
『温めて軟化するなら、可能な限り、温度を上げたら良いのでは?』
と思われる方もおられます。
そうすると、『樹脂生地にシワがよる』『曲げすぎる』『ヤゲン溝がめくれる』など、
様々な問題が発生します。

また、ドライヤーを使って、ご自身で調整する方もおられます。
大抵の場合、フィッティングが無茶苦茶になっている場合が多く、
見た目が悪くなる、疲れるなどの問題も発生します。

もちろん、ご自身のメガネなので、自己責任でどう使ってもらっても問題ないですが、
その後で、直してほしいと言われても、部品交換など、有償の話になる場合が多いと思います。

シワがよったり、めくれたりすると、戻すことは、かなり難しいです。
そのため、眼鏡店では、温めすぎないように注意を払って調整しています。

熱で変形しにくい樹脂素材は?

熱を使って変形しにくい素材としては、ウルテム材があります。
ウルテム材は熱可塑性ではあるものの、その温度はかなり高温になるため、
変形させることは基本的にできません。

この変形しにくい樹脂素材は結構やっかいです。
というのが、他店で購入され、そこでフィッティングを断れれた場合が、
大抵、このウルテム材であることが多いです。

熱で変形させることができないということは、フィッティングできないということで、
一度、広がってしまった場合、元には戻せません。
また、ある一点の力を超えると折れることもよくあり、
クラックも入っている場合が多く、正直触りたくないフレームになってます。

アセテートが熱で変形すると言っても、最低でも50~60℃以上。
日常的に使っていて、そこまで温度が上がると、掛けていられないくらい熱いと思います。

まとめ

・樹脂フレームは熱によって軟化する
・ドライヤーなどで調整することは可能だけども、
 フィッティングがおかしくなることが多いので、自己責任で
・アセテート樹脂が変形する程の温度になると、
 顔に掛けていられないと思います

次は、『メガネにとって冬場に注意してもらいたい状況』について

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豊福祐史
専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

豊福祐史プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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