HOYAの最高級累進レンズ(インディヴィジュアル)の極・雅・望・紬は何が違う?①
『ある眼鏡店で高いメガネを購入した。』
『その後、安くて同じ度数がほしかったので、他の店にそのメガネを渡して作ってもらった』
『2つのメガネは、全く同じ度数、同じPDなのに、見え方が違う』
『なんでですか?』
という質問がよくあります。
2つのメガネを調べればわかる場合と、わからない場合があります。
見え方が違う理由
見え方が違う理由としては
①設計グレードの違い
②中心のズレの違い
③フレームの違い
④型崩れ
などが想定されます。
①メガネの非球面レンズはユレ・歪みをなくすように設計されてます。
当然、同じ非球面であってもグレードの違いで、ユレ・歪みの差はあるため、
同じ度数・PDでも違和感が出てくる場合が多いです。
同じメーカーでもグレードで10倍以上、価格の差があるため、
その同じ見え方と感じない場合も多いです。
できあがったメガネを二つ見比べた際、
レンズの隠しマークがない、削れている場合、
レンズのグレードは判別できません。
②中心のズレについては、加工した人の技量によるものです。
もちろん、理由があって意図的にズラす場合もないことはないです。
ただ、累進レンズで上下ズレがある場合は、
掛けれないくらいきつく感じることも多いと思います。
中心がズレている高グレードのレンズを使うくらいなら、
中心が合っている安価なレンズを使う方をお勧めします。
③レンズを入れるフレームの違いによって、違和感を感じる人もいます。
フレームによっては、頂点間距離・傾斜角・そり角が異なることもあるかなと。
フレームについてはどうしようもない部分はありますが、
フィッティングすることで解消することもあります。
また、各レンズメーカーで最高クラスのindivisualになると、
頂点間距離・傾斜角・そり角などのパラメーターを入れてレンズを製造します。
④型崩れした場合は、当然、見え方がおかしくなるので、
購入された眼鏡店でフィッティングしてもらってください。
高グレードの高価なレンズの方が良い?
見え方に関して言えば大抵の場合、高グレードのレンズが良いと思います。
ただ、これは一概には言えず、
万人に価格相応の恩恵を受けるかというとそうではないと思います。
人によって、グレードを上げても下げても、あまり変化を感じない方もいます。
逆に、グレードを一つ下げただけで、きつかったり、気持ち悪くなったり、疲れる人もいます。
また、非球面レンズではなく、球面レンズの方が良いという方も稀におられます。
なので、自分にとって、見え方と価格のバランスがあったレンズを選ぶと良いと思います。
店によっても見え方は変わる?
店というよりも、誰が測定して、誰が加工したのか、
それが間違っていないかと思います。
2022年からは眼鏡作製技能士という国家資格ができました。
眼鏡作製技能士の前身は、眼鏡技術者協会の認定眼鏡士です。
専売資格ではないため、資格がなくてもメガネを販売することはできるし、
もちろん、測定や加工もできます。
ただ、認定眼鏡士のときから資格制度がある目的は、
一般のお客様が、その店員の技量がわかりやすくするためにあります。
昨今は、眼鏡作製技能士のことを聞かれるお客様が増えてきました。
特に、1級か、2級かなど。
もちろん、1級眼鏡作製技能士が測定・加工する店なら問題はないと思います。
ただ、特に年配の方の中には、資格がなくても技術の高い方はおられます。
眼鏡作製技能士であろうがなかろうが、
信頼できる眼鏡店でやってもらうことが一番ではないかなと思います。
まとめ
・同じ度数、PDでも見え方が異なることがある
・同じメーカーでも、高グレードのレンズの方が見やすい場合が多い
・フィッティングがズレている場合、高グレードのレンズでも違和感が出ることがある
・見え方が違う場合、フィッティングで解消されることもある
次は、『樹脂フレームは寒いと縮む?』について