レンズカラーの特長
『遠近レンズが苦手』という方は意外に多くおられますが、その理由は様々です。
『遠近レンズだと気持ち悪い』『疲れやすい』『遠くは見えるけど近くが見えない』
という理由で苦手と感じることが多いみたいです。
今回は、その理由の一つ、眼球の回旋が苦手な場合について
遠近レンズの仕組み
遠近レンズは上下の度数を変化させたレンズになります。
その遠近レンズは昔から考えていくと、
バイフォーカル、EX⇒多焦点レンズ⇒累進レンズ
と進化しています。
累進レンズは、無段階多焦点レンズと思ってもらったら良いかなと。
今でも、『遠近レンズは線があるから嫌だ』という人がたまにおられますけど、
今のほとんどの方は線がない累進レンズを使っているので、
遠近かどうかはわかりにくいと思います。
また、小玉や線が目安となって使いやすい方もおられるため、
バイフォーカルやEXも完全になくなったのではないです。
眼球の回旋?
眼球の回旋と聞くと難しく聞こえますが、要は眼球を動かせるかどうかです。
眼球には動かすための眼筋があるため、上下左右斜めに動かすことができます。
この回旋が人によっては難しく、またそれを自覚していない方も多くおられます。
ビジョントレーニングで追従のチェックを行う際、
大人でも眼球が動かず、頭ごと動く方も多くおられます。
こういう方はどんなに高価でグレードの高い遠近レンズを使っても、
『遠近レンズは苦手』『近くが見えない』となると思います。
回旋が苦手な人へのの提案
回旋が苦手な方へ提案することは大きく4つ
①遠近レンズの短累進レンズへ
②頂点間距離を長くする
③遠く用、近く用の単焦点メガネを2本
④ビジョントレーニングによる回旋のトレーニング
もちろん、状況によって提案する内容は異なるし、
上記4つ以外の方法もあるので、購入した(購入する)眼鏡店に相談しても良いと思います。
短累進?
遠近レンズには累進帯長というものがあります。
例えば累進帯長14mmということは、14mmの範囲で度数が変化していることになります。
短累進とは累進帯長が短い遠近レンズになります。
『14mmも十分に短くない?』と思われるかもしれないですが、
これが数mm短くなるだけで、眼球の回旋は少なくて済みます。
『それなら最初から短累進にしたら?』と言われますが、デメリットももちろんあります。
短累進にするということは、上下の度数変化が激しいということになります。
なので、『短累進は距離を合わせにくい』となる人もいます。
頂点間距離?
頂点間距離とはレンズから眼球までの距離で、これを数mmでも長くすると、
眼・レンズの遠用位置と近用位置の角度が小さくなります。
そのため、回旋は少なくて済みます。
これも『最初から頂点間距離を離しておけば?』と言われます。
デメリットは大きく2つ。見た目と、ユレ・歪み
眼とメガネが離れすぎると、見た目は悪くなることがあります。
また、遠近レンズはレンズ設計が複雑であるため、
離れれば離れる程、ユレ・歪みは大きくなります。
なので、眼鏡店は、この点を考慮しながら、フィッティングします。
遠く用、近く用の単焦点メガネを2本
遠近レンズをあきらめて、遠く用、近く用の2本に分けることもあります。
単焦点レンズは正面で見たとき(第一眼位)で、設定した焦点距離が見えます。
その焦点距離を遠くと、近くに合わせれば、レンズのどこで見ても、
その距離が見えることになります。
本当は、遠近レンズを常時使用している人も、
近く用の単焦点メガネ、もしくは近々メガネを持っていた方が近用作業は楽になるとは思います。
ビジョントレーニングによる回旋のトレーニング
ビジョントレーニングには、眼球を動かすためのトレーニングがあります。
もちろん、トレーニングなので、人によって、難しいこともありますが、
そのトレーニングを行うことで、遠近レンズを使用するための
上下の回旋がしやすくすることも可能と思います。
私自身が、プロフェッショナルビジョントレーナーの資格を取得した理由の一つでもあります。
もちろん、トレーニングなので、その人によって、難しいこともあります。
まとめ
・遠近レンズは上下に度数が変化しているため、眼球を動かす必要がある
・回旋がうまくいかないと遠近レンズは使えない
・回旋がうまくいかなくても、方法はあることはある
※とりあえず、遠近が使えないと決めつけず、
眼鏡店に相談して、自分に最適な方法を選ぶ方が良いと思います
次は、『遠近レンズは単焦点レンズと何が違い、合わない人がいる理由は?』について