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コラム

国家資格がないと眼鏡店はできない?

2023年6月9日

テーマ:葛藤のある眼鏡店の話

コラムカテゴリ:くらし

2022年より、国家資格の眼鏡作製技能士ができ、2023年に第1期の合格者が発表されました。
それに伴い、眼鏡店へ国家資格を持っているかどうかを確認してこられるお客様も増加してます。

自分が持っているものしか詳しく説明できないですけど、
眼鏡店が持っている資格について簡単に。

資格がないと眼鏡店はできない?

結論としては、国家資格どころか、他の認定資格がなくても、
眼鏡店の経営や従事することは可能です。
理由は、医師免許や士業のような、専売の資格ではないため。

認定眼鏡士から眼鏡作製技能士への移行

国家資格『眼鏡作製技能士』は厚生労働省が認めた技能士ですが、
眼鏡技術者協会が認定していた『認定眼鏡士』が前身となります。

認定眼鏡士はSSS級・SS級・S級とありました。
さらに昔は、AAA級・AA級・A級もあったそうです。

国家資格への移行が決まり、
特例講習とその試験をクリアした
認定眼鏡士SSS級・SS級が統合されて1級に、S級は2級に移行されてます。
それ以外は、通常の試験を受けた方です。

現在、『認定眼鏡士』は廃止されており、試験に合格した方は、
『眼鏡作製技能士』を名乗っていると思います。

違いとしては、主に以下の3点くらいかなと。
①国家資格か、協会認定資格か
②認定眼鏡士の試験から医学や手術知識、コンタクトなどは削除(簡略?)され、
 インディヴィジュアルなどの新設計、ウルテムやTR-70などの新素材、
 個人情報保護や環境などに関する法令が強化された感じ。
③医師との連携が協調されるようになった

※ただ、新設計や新素材については販売する上で知っておく必要があります。
 また、法令については認定眼鏡士でも、勉強させられてます。

認定眼鏡士の目的

協会が出していた『認定眼鏡士』の目的は、
その眼鏡店の知識や技量がどの程度かを、一般の方がわかりやすくするためです。

ほとんどの方は、SS級で止めていることがほとんどで、
SSS級まで取得している方は少なかったです。
中にはSSS級・SS級くらいの知識と技量がある方でも資格取得していない方もおられました。

自分はSSS級を取得する前に国家資格になってしまったので、
『SSS級とSS級が統一されるなら、1級取得すれば良いかな』という感じでした。

認定眼鏡士に制限は?

眼鏡専門学校を卒業・試験合格をした人がS級以上、
S級または眼鏡店に長年従事した方で、さらに昇級試験に合格した人がSS級以上という感じです。

また、認定眼鏡士になると、職業倫理の観点からネットや通販でメガネを売ることができないとなってます。
これが悪質と判断されると、資格が剥奪されることがあると聞いてます。
フレームやレンズ単体なら問題ないはずです。

この時代にそぐわないし、大げさなと、自分もそう思っていました。
ただ、ネットで購入されて持ちこまれる方を見てみると、
メガネ自体に問題がある場合も多く、まぁ、そうかなと思うことも。

眼鏡作製技能士になったので、この部分はどうなるかはわからないですけど、
メガネはアフターフォローも大事なので、
どちらにしても、課題をクリアできない限り難しいかなと。

専売資格ではないのに、なんで国家資格に?

数十年にわたって協会が活動していたものの、なんで急に国家資格になった理由は、
厚生労働省が危険性を感じたからではないかなと。

本来、一般医療機器であるメガネを作製するのに、
今まで国家資格でなかったという方が問題なのかなとも。

一般医療機器は即座に健康に害を及ぼすことはないにしても、
長期で使用すると問題が起きることはあるので。

メガネは適当でも、精密に作っても見た目は同じです。
なので、疲れやすい、気分が悪い、度が合わないなどの問題があっても、
細かく見させてもらわないと、見た目では理由はわかりません。
型崩れやフィッティングの有無くらいならわかりますけど。

特に疲れやすかったりしても、すぐに感じられない方もおられるので、
それがメガネのせいだとは思わない場合も。

眼鏡作製技能士以外の、眼鏡店が持っている資格

国家資格以外にも、協会が出している認定資格や、
メーカーが出している社内(社外?)資格などもあります。

私の場合、『HOYA認定レンズアドバイザー』
『プロフェッショナルビジョントレーナー』などの資格も持っています。

『HOYAレンズアドバイザー』は、レンズメーカーのHOYAが認定する資格です。
インディヴィジュアルを含めたレンズの違いを説明するために、必要と思って取得しました。

『プロフェッショナルビジョントレーナー』は、
一般社団法人ビジョントレーニング普及協会が認定している資格になります。
子どものメガネを作製する際、保護者の様々な悩みの相談に乗り、
トレーニングしてあげられるように、取得しました。

他には、眼に関する有名なアメリカの国家資格に、
『米国認定オプトメトリスト』という資格もあります。
アメリカに留学して、学校を卒業された方に与えられる資格だったかなと。
自分は留学する余裕も時間もなかったので断念。

国家資格ができた際に、眼鏡技術者協会がホームページ上で、
『オプトメトリスト(検眼士)という資格はない』と公言してたので、
米国認定オプトメトリストとは別のオプトメトリストもあるのかなとも。

このあたりは自分が持っている資格ではないので、詳細はよくわからないです。
個人的には、どんな資格であっても、認定しているところがあるのだから、
資格がないことはないだろうと思うんですけど。
認定眼鏡士も、英検とかでも協会認定だし。

まとめ

メガネに関する国家資格は『眼鏡作製技能士』のみとなっています。
また、日本ではないものの『米国認定オプトメトリスト』などもあります。
それ以外には協会やメーカーが認定する資格もあります。

眼鏡店はこれらの資格がなくても経営・従事することができます。
極端な話、資格・知識・技量・機器などがなくても、
メガネを作製・販売することは可能です。

あくまでも、国家だろうが、認定だろうが、資格はその人の知識や技量を、
一般の方がわかりやすくするための指標でしかないという感じです。

次は『ビジョントレーニングって何?』について

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