サングラスとメガネレンズの紫外線(UV)カットについて
最近、『透明なサングラスがほしい』と言われることがあります。
サングラスはカラーによって『眩しさ』を防止するものであり、
透明ということは、可視光線を通しています。
なので、最初に言われたときは、『?』となりました。
眼鏡店からすると、『眩しさ』を取るものをサングラスというので、
透明な時点で、サングラスのはずがないと思うので。
透明なサングラスの定義?
質問された方に、『透明なサングラスって何ですか?』と聞くと、
『UVカットされたメガネ』『ブルーライトカットされたメガネ』という回答でした。
なので、『それなら、今使われているメガネが透明なサングラスですよ』と答えると、
お客様の方が『?』となっていました。
そもそもUVカットは
UVは紫外線、つまり可視光線の外側の光になるため、人間は基本的に光として感知できません。
つまり、人間の場合は、UVを眩しく感じていないということです。
ちなみに、この紫外線を主な可視光線としている昆虫類は感知できます。
なので、昆虫にとってはUVカットされたレンズはサングラスになるのかなと。
最近のメガネレンズの多くは、ほぼ100%に近い程のUVカット率があります。
もちろん、全てのレンズを知っているわけではないので、一概には言えないですけど、
そもそも練りこみで入っているものが多いので、
わざわざUVカットを外す方が高くなるじゃないかなと。
また、レンズ裏面に入った光が反射して眼に入らないよう、
裏面UVカットされているレンズもあります。
加えて、『サングラス=UVカットしているもの』という定義なら、
カラーが入っていてUVカットされていない既製品のサングラスは、
例え眩しさを防止できても、サングラスではないということになります。
ブルーライトは?
ブルーライトは可視光線になりますが、
一般的なブルーライトカットは色がわかりにくいと思います。
なので、『サングラス=ブルーライトカットしているもの』となるなら、
透明なサングラスといえると思います。
また、できるだけブルーライトをカットすると、可視光線であるため、必然的に色が付きます。
最近ではCC420など、一般的なブルーライトコーディングよりもカット率が高く、
クリアに近いものもありますが、これらもよく見ると色がついています。
メガネにした場合、肌の色と合わさって、あまり気づく人も少ないとは思いますけど。
ちなみに、一般的なブルーライトカットのレンズは青い反射光があります。
この反射光を嫌って、ブルーライトカットしない人も多いです。
また、ブルーライトカットの反射はコーディングの質にもよります。
高い価格帯のレンズには反射光に滲みが少なく、
最近では自然に(白色に)反射させるものもあります。
まとめ
『防眩』を目的とした透明なサングラスは存在しません。
あったとしても、わずかに色が入っています。
サングラスの定義を『UVカット』や『ブルーライトカット』だけで良いなら
透明なサングラスを作ることは可能です。
ただ、その定義では、カラーレンズであっても、UVカットされていないサングラスは、
サングラスではなくなります。
次は『国家資格がないと眼鏡店はできない?』について