家は完成してからが本番 暮らしとともに育つ家の話

建築を考えるとき、
建物と同じくらい大切なのが外構計画です。
駐車場、植栽、アプローチ、雨水処理。
建物の外にある要素によって、
使いやすさも景観も大きく変わります。
この「風のオフィス」では、
外構についても建物と一体で計画しました。
今回の雨水に対する考え方は、
クライアントからの提案がきっかけです。
クライアントは土木系コンサルタント会社。
道路や河川、インフラに関わる専門性を持つ会社だからこそ、
雨水の流れについても深い視点がありました。
駐車場の一部には、
雨水を地面へしみ込ませる浸透性アスファルトを採用。
右側の側溝にも、
水を流すだけではなく、
地面へ浸透させる浸透性側溝を取り入れています。
さらに、写真手前の大きな砂利のスペースは、
大雨のときに一時的に水を受け止める場所です。
雨水を一気に河川へ流さず、
少し時間をかけて流していくことで、
急激な増水や氾濫リスクの軽減につながります。
こうした考え方は、
雨庭(あめにわ)とも呼ばれています。
植栽にもこだわり、
すべて九州の在来種を選びました。
その土地にもともとある植物は、
気候風土になじみやすく、
時間とともに自然な景観になっていきます。
その中には、
絶滅危惧種のクロツバメシジミが好む
タイトゴメも植えています。
実際にこの場所へ蝶が訪れ、
繁殖も確認できました。
建物だけでなく、
雨、水、植物、生き物まで含めて考える。
そんな外構計画になりました。


