行動の奥にある叫び ― ひきこもりが語ろうとしている本当のこと

中光雅紀

中光雅紀

テーマ:解決のための視点

現れていることの裏にあるものは

相談者からの最初の訴えは、

「学校へ行かないのですがどうすれば行きますか?」

「ひきこもって何も動こうとしないのですが・・・」

「親に対して暴力行為や暴言があるのですが、
どうすればいいでしょう」


といったものがほとんどです。



こういった状況の場合、先ず必要な視点は、

これらの行為・行動には意味があり、

何ものかを象徴しているということです。



なぜ自分の部屋に閉じこもったり、

暴れたりしたくなるかを斟酌せず、

表面の行動だけをたしなめようとしても

解決にはつながりません。



中には、

「時期がくれば落ち着く(動き出す)から待ちましょう」

と医療機関から助言されたり、

暴れる度に警察に通報していたケースもありました。

4つの傾向に見える当事者たちの偏向

不登校やひきこもりの青少年たちにある傾向は、

強迫性、反復性、衝動性、貪欲性です。

自分の見識に囚われ(貪欲性)、周りが何を言っても

そこから離れることができません。



強迫性というのは、無意識に動いてしまうことで、

「わかっちゃいるけど、やめられない」の世界です。

気づいたらもうそうしています。



あきれるほど同じ不安を繰り返したり(反復性)、

登校しない過ごし方、外出しない過ごし方を

今日もまた繰り返します。



行動の多くは、明確な意思、計画に基づいたものではなく、

その場の感情に突き動かされた(衝動性)行動です。

行動に隠された本質的欲求

人間の行動は、欲求に基づき促されますが、

学校に行かない、対外的な生活をしないといった行動は、

その行為自体を望んでいるのではなく、

本質的な(本心からの)欲求が見えなくなったことからの、

代替行為であり、隠れた本心の象徴行為と言えます。

ですから、その行為・行動がいくら繰り返されても、

本心からの欲求が満たされることは無く、

延々その状態を変化させることはありません。



では、隠れた(隠された)本心とは何でしょう。

例えば、学校環境は、管理評価の象徴です。

集団生活の中で、他者との比較で優劣をつけられます。



個々の独自性を尊重されるよりも、

校則などにより標準的な枠組みへの矯正

学習能力による序列化で、

固有の名前のようにそれぞれの存在価値を確かめあい、

認めあうのではなく、

成績や出席番号のような数字での管理がなされています。



そういった環境で、いじめなどによる疎外体験

「必要とされたい」「認められたい」といった承認欲求

十分に満たされなかった子どもたちは、

管理、評価の象徴の場を離れ、独自的な生き方を模索します。

ひきこもる行為が意味するもの

また、あるがままを許されなかった子どもたちは、

親の期待に応えることでの存在意義しか見いだせず、

そのことに挫折したことに罪悪感を感じながら、

社会からの「求め」に耐え、役割を担い、責任を負うことなど

到底できることではないのです。



わずかな失敗によっても、評価をおとしめられる恐怖を

抱えた青少年は、一切のしくじりから逃れるために

不行動(ひきこもり)を選択するのです。

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中光雅紀
専門家

中光雅紀(不登校・ひきこもり支援者(家族心理教育コンサルタント))

NPO法人地球家族エコロジー協会

トラウマの視点からひきこもりの原因を見える化していくアプローチを行い、そのもがきのプロセスから人間としての成長を果たし、ひきこもりから脱却。新しい自分に生まれ変わるような変化をサポートしていきます。

中光雅紀プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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