「企業文化を醸成する」
おはようございます。福井の社会保険労務士 北出慎吾です。先週末、大リーグ大谷翔平選手があっという間に50本塁打、50盗塁を達成しましたね。大リーグ史上初です。次は400塁打という記録もあるようですが、日本人選手の活躍は嬉しいと同時に大きな刺激にもなります。私も気合を入れて2024年の残り3ヶ月、頑張ります。
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株式会社日本能率協会総合研究所が企業における従業員エンゲージメントの実態や、転職意向とその背景について「働きがいに関するアンケート」を行い、結果を公表しました。サマリーとすると、“働きやすさ(柔軟な働き方)”は、検討した転職を思い留まらせる。 “働きがい(仕事のやりがい)”は、転職を考えさせないカギ。となります。分かっていたこととはいえ、このようにアンケート結果でみると非常に興味深いですね。具体的に見ていきます。
1. 25~34歳は転職活動が当たり前、エンゲージメントが高いと転職にアクティブな層は減少する。
○特に転職活動が活発な年齢層は25~34歳。(転職活動中もしくは過去3年以内に転職を検討)
・現在転職活動中・・・8.9%
・過去3年以内に転職を検討した層・・・44.1%
転職を考えたことがない層は半数を下回り、転職を考えるのは当たり前となっている。
○25~34歳のエンゲージメント層を見ると(会社への誇りと仕事へのやりがいの両方が高い)転職活動中…4.2%と半減。過去3年以内に転職を検討した層…32.7%と10%以上減るものの、転職に関心を持った層が一定層いることがうかがえる。ただし、転職を考えない層…63.1% 不満層に比べても2割以上多く、エンゲージメントを高めることが、転職を考えないことにつながると考えられる。
2.25~34歳に転職させないためには「仕事のやりがい」が重要、転職の引き留めには、「柔軟な働き方」や「勤務地」が寄与しており、特にリモートワークの頻度が高いと「柔軟な働き方」を理由に現職に留まる傾向がある。
○過去3年以内に転職を考えたことがない理由としては、「仕事のやりがい」(26.9%)、「勤務地」(26.4%)、「給与」(22.9%)が三大理由。一方、技能職は「給与」を最も重視する傾向が見られる。
○25~34歳が転職を検討しつつも思い留まった理由としては、「希望する転職先が見つからない」を除くと、「柔軟な働き方」と「勤務地」が上位に来ている。柔軟な働き方ができる工夫は、人材の流出を防ぐための重要なポイント。
3.従業員エンゲージメントを高めることは、管理職志向の向上にも寄与している。
○将来管理職になりたいかを尋ねたところ、肯定的な回答は非管理職の25%程度と少ないが、エンゲージメント層は倍近くとなり、管理職になることにも前向き。管理職候補になる年代に対しては、エンゲージメントを維持・向上させることが重要。
【まとめ】
エンゲージメントが低いと、転職リスクが高いことが改めて検証された。しかし、転職活動がアクティブな30代前後の層においては、エンゲージメントが高くても、4割近くは転職活動中もしくは検討して思い留まった層である。したがって、一定の流出リスクは避けられない時代であることを念頭におきつつも、エンゲージメントが高い層は転職リスクが低いことも事実である。20代後半になるとエンゲージメントが急に低下する傾向があるため、20代前半からのエンゲージメントを維持・向上させる従業員経験が重要であると言える。従業員経験としては、「仕事のやりがい」が重要な転職リスク回避のポイントとなっており、上司は部下の強みや指向を見極めつつ、いかに仕事において充実感を感じてもらうかが必要となっている。また、転職を考えた層を引き留まらせる要因としては、「柔軟な働き方」が重要であり、働く環境の整備が不可欠となっている。しかし、働きやすい環境の整備は、検討していた転職を踏み留まらせる手段となり得るものの、仕事そのものの充実感がないと従業員エンゲージメントは高まらないため、企業においては、“働きやすさ”と“働きがい”の両輪が求められている。多様な働き方が求められている昨今、働きやすさも働きがいも当然追求していくことで社員の定着や生産性向上につなげていきたいですね。ここは常にアンテナを立てていたいものです。
【編集後記】
大谷選手の活躍もすごいですが、記録がクローズアップされると引退したイチロー選手や松井秀喜選手の活躍も凄いと感じます。