採用力が上がるポイント 3
おはようございます。台風のフェーン現象で35度を超える暑さとなり、雨のない台風もまた複雑だなと感じた福井の社会保険労務士 北出慎吾です。北陸地方は大きな被害はありませんでしたが、台風で被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
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定食屋のご飯の量、男性よりも「少なかった!」勝手に減らされた女性から怒りの声という内容がネットニュースに上がっていて、思わず、ポチっとしました。そんなこと?と言ったら怒られるかもしれませんが、こういう話題でも炎上するんだなと少々傍観的に見ていました。ハラスメントとは少々違いますが、今回の件は、男女平等に反するという声もあり、合理的客観的理由が争点となるようです。ただ、弁護士先生の見解では、「定食屋側が気を利かせて、あらかじめ女性客のご飯の量を減らすことについて合理的理由がないとまではいえない」という声もあり、一般的にご飯の量が多く、女性が残すこともあるという事情も考慮されるようです。なかなか難しいですね。
さて、このような件と関連して、男女雇用機会均等法を見ていきます。男女雇用機会均等法には雇用管理全般における性別を理由としたものを禁止しています。例えば、
・採用や昇進、労働契約の更新等について、性別を理由として差を設けること。
・合理的な理由なく、身長が高いことや筋力があること、転居を伴う転勤が可能であること等を、採用や 昇進の要件とすること。
・結婚や妊娠、出産等を理由に退職を強要することや、退職勧奨の対象にすること。
「男女雇用機会均等法に関するあらまし」には、次のようなQ&Aも記載されています。
【Q1】
例えば、3交替制の深夜業がある事業場で、希望する女性以外、女性は3交替制の職務に就けないとした場合、均等法第6条違反となるのでしょうか。
【A1】
本件については、一定の職務への配置について、男性は全員を対象とするが、女性は希望者のみを対象にしていることになり、均等法第6条に違反します。なお、個々の労働者の健康や家庭責任の状況を理由として他の労働者と異なる取扱いをすることは均等法上の問題となるものではありませんが、その場合においても、一方の性の労働者に対してのみ個々の労働者の状況などを勘案することは、均等法違反となります。→女性への配慮という部分ではありますが、こういうケースも違反となるようです。
【Q2】
当社では「一般職」社員を対象に窓口業務研修を行っています。「一般職」はほとんどが女性ですが、このような研修は、均等法では禁止されているのでしょうか。
【A2】
均等法では、労働者の教育訓練について、性別を理由として差別的取扱いをすることは禁止されており、研修を行うに当たって、女性労働者のみを対象とすることはこれに該当します。しかし、「一般職」社員を窓口業務研修の対象としているという場合に、「一般職」がほとんど女性であるために結果として研修の受講者のほとんどが女性社員となったとしても、均等法違反とはなりません。→このケースはよくある話ですね。業務内容で研修を分けることは問題ありません。
【Q3】
女性のみに制服を支給することは禁止されるのでしょうか。
【A3】
均等法第6条で労働者の性別を理由として、差別的取扱いが禁止される福利厚生の措置は、住宅資金の貸し付けのほか、厚生労働省令で定める事項に限られ、その中には制服を支給することは含まれていません。したがって、制服の支給については、均等法上の問題とはなりません。ただし、一般的に、均等法第6条の趣旨に照らせば、女性に対してのみ制服を支給することに合理的な理由は認められないと考えられ、制服については、男女とも支給しない、男女とも希望者に支給するなど、男女で同一の取扱いをすることが望ましいといえます。
定期的に国や県が開催している女性向けのキャリアアップセミナーなどこれらのことは男女雇用機会均等法に抵触しないのか?という疑問がある方もいらっしゃるかもしれませんが、女性の活躍推進に関する「ポジティブアクション」は、女性の社会進出のために必要だと認められています。女性の活躍を推進する国の思惑も見え隠れしますが、これが、今の時代に本当に合っているのか不思議な内容でもありますね。
最近はオンラインでの相談も増えていますので、ぜひこちらから。
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福井の社会保険労務士
北出経営労務事務所/シナジー経営株式会社
【編集後記】
ちょうど台風が接近中に海岸線の高速道路を走っていました。風も強く、軽い車は飛んでいくんじゃないかという気もしましたが、前を走っている軽自動車は負けずに頑張っていました。(笑)