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給与を取りに来ない従業員に対してどうすべきか

2015年11月12日 公開 / 2020年8月7日更新

テーマ:退職

コラムカテゴリ:ビジネス

「入社して数週間働いた従業員がいますが、突然来なくなり、何度連絡してもつながりません。
給与は現金払いをしているのですが、給与も取りに来ません。どのようにすればいいですか?」

年に何度かこのようなご相談を頂くことがあります。
「突然、来なくなり連絡もつかない、そういう人にも給与は払わないといけないの?」
こういう含みもご質問には含まれていますが、法律的な話をしますと労働した時間に対しての給与の支払いは必要となります。

突然連絡が取れなくなったとしても働いたことには変わりがありませんので、その分の給与は発生しています。
仮に会社に来た初日に数時間だけ働いて、その後連絡が取れなくなった労働者に対しても数時間分の労働に対する対価としての給与は発生しています。

そして、その給与の債権時効は2年間となります。
2年もあるの?という声も聞こえそうですが、法律上は2年です。
(2020年4月から3年に延長されています。2020.8.7追記)

では、実際に給与を取りに来ない従業員に対しては何度か電話や文書で連絡を取り、取りに来てもらうなどの催促を行うことが一般的ですが、それでも取りに来ない場合、次のような対策が考えられます。

これは労働基準監督署にも確認している内容なのでどうしても連絡が取れないという場合にはこのような方法をご検討ください。

1.家族に連絡を取り、本人に取りに来てもらうよう伝えてもらう
2.本人の口座に給与の振込を行う。(口座が分かっている場合)
3.本人の住所に現金書留で送付する。(住所が分かっている場合)
4.家族と連絡を取り、家族から指示された方法で送金するしてください。
5.法務局へ供託する(民法494条)

労働基準監督署からは、
「使用者として、出来うる限りの努力をしてください。 そうでない場合、給与未払いとみなします」
と指導されますので何ともやるせないですね。

仮に連絡が取れない従業員がいた場合、ぜひ参考にしてください。
当社HPにも事例を紹介しております。

この記事を書いたプロ

北出慎吾

社会保険労務士として企業の成長に寄り添う人事労務のプロ

北出慎吾(北出経営労務事務所)

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