「24年前に購入したソファーの修理が可能かどうかご連絡しました。」
「土岐さんのお父さんに作ってもらったタンスの引き出しを見て!」
「前板に貼り付けていた木が剥がれてしまいました。
もう50年くらい使ってるので愛着もあるし、なんとか直してほしいの!」
と、愛媛県新居浜市・O様(80歳代・女性)が引き出しを持参してくれました。
『親父が作ったタンスを、息子の私が直せる!』とは、とてもうれしい気持ちになりました。
昔の引き出しは、前板と側板の接合は 『アリ組み』、側板と向う板の接合は 『あられ組』で、基本に忠実な組み方です。
このタンスは私が子供のころ、親父(土岐敏勝/90歳)が当店の工場で良く作っていたもので、私の母は今でも愛用しています。
引き出し前板に貼り付けた約5mm厚の前板が反り気味に剥がれていることは、一目でわかりました。
修理作業①/専用の当て木づくりなどの作業準備
まずはじめに、
引き出し前板に取り付けてある取手を外して、古い接着剤をヘラでできるだけ除去します。
古い接着剤が残っていますと、いくら強力な接着剤を新たに使っても接着不良の原因になりますので!
次に、圧着作業の準備としての専用の当て木を前板の面取り形状に沿ってキズをつけないように作ります。
今回の引き出し前板周辺部は、微妙な曲面加工をさせていましたので、合板周辺部にニードルパンチを貼り付けて当て木を作りました。
私の親父は、動力機械のルーター加工で面取り加工させるのが得意でしたので・・・。
前板が平面ですと、ふつうの合板を切っただけで良いのです。
当て木をナイロンで巻いているのは、接着剤が付かないようにする工夫です。
修理作業②/各種クランプによる圧着作業
ソマックス製T型クランプ・スナップクランプ・端金などを使い、少しづつ締め上げていきました。
薄めの無垢材前板は、とても割れやすいので慎重作業が必要なんです。
たくさんのクランプ類を使い、前板がキッチリと圧着できたようです。
ここから完全乾燥まで、約2日間は養生しておきます。
修理作業③/最終調整作業など
完全乾燥後には、
クランプが邪魔して拭き取れなかった接着剤を除去していき、再び剥がれにくいように角を面取りしていきました。
取り外していた取手を取り付けて、引き出し側面・底面などにスベリローを擦り込んで完成です。





