金価格の変動要因のおさらい
雪こそ積もらないものの松山市でも雪がちらつく程の寒さですね。
今年はまだまだ寒そうです…
さて今日は「金価格が下落するとしたら…」というお題です。
2018年に入りずっと金価格が高騰した状態が続いています。
となると、逆に、いつ金価格が下がるかというタイミングが気になり始めます。
金価格は経済や財政の状況だけで決まる訳ではなく、投機的な動きによっても価格が左右されますので、金価格の予想は難しいのですが、ここでは基本に帰って考えてみたいと思います。
金価格に大きな影響を与えるのが、アメリカの経済状況・財政対策です。
オバマ大統領からトランプ大統領へと代わって以来、アメリカの経済状況が大きく変わりました。
ニュースなどでも盛んに報道されていますので、ご存知の方も多いと思いますが、ニューヨーク株式市場で平均株価が最高値を更新してきています。
これはアメリカ経済の見通しが「明るい」という予想の下、投資家たちが株取引を行っているという表れだと思います。
ですので、単純な考えでいくと「アメリカ経済の見通しが明るい」=「金価格は下がる要因」ということになりますから、現在の金価格が高騰している状況は長くは続かないという予想になってきます。
また、アメリカの実質金利と金価格は反対の関係になっていることも注目しなければならないと思います。
ここで、まず「実質金利」について簡単に触れておこうと思います。
ニュースなどで聞いたことがある言葉だと思いますが、実質金利とは「名目金利 ー インフレ率」で表されます。
具体的に例えてみますと、100万円のロレックスを買う時に、銀行から100万円を借りてロレックスを購入したとします。(この100万円は1年後に銀行へ返済しないといけません)
もし仮に、銀行の金利が5%だった場合、1年後に返済する金額は105万円になります。
一方、インフレ率が2%という経済状況だった場合、物の価値としてはロレックスの1年後の価値は102万円になっているハズです。
となると、105万円ー102万円=3万円を実質的に支払えば済むという事になります。
これが実質金利です。
逆に、銀行の金利が5%でインフレ率が-2%だった場合、こうなります。
銀行への返済=105万円、ロレックスの価値=98万円、実質的な支払いは7万円必要。
こうなります。
もう皆さんお分かりのように、インフレ率がプラスであれば、我々消費者にとっては有利な状況にあり、インフレ率がマイナスの状況だと不利な状況となります。
ただ、過度なインフレ率になりますと、例えば、土地が高騰し過ぎて一般庶民には買えなくなってしまう、というような状況、つまりバブルという経済状況になりかねませんので、注意が必要です。
話を戻しますと、銀行の金利だけに注目していては不十分で、インフレ率も把握しておかないと、経済状況をちゃんと把握出来るかどうかに大きく影響してきます。
アメリカは、今後、金利を上げてくる事が予想されますが、この利上げに追いつくインフレ率の上昇がなければいけません。
言い換えれば、アメリカが利上げをしインフレ率がきちんと追いつけば、これは金価格の下落につながる事が予想されるのです。
世界を取り巻く経済環境には色々ありますが、やはり金価格にはアメリカの状況に注目する必要があるのではないかと思いますね。
それではまた、次のコラムでお会いしましょう。
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