非加熱ルビー
暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
子どもたちは、もう夏休みなのですね。
いよいよ夏がくるなーという気がしています。
さて今日は「他社で断られたダイヤモンドの査定」というお題です。
先日、このような事がありました。
お客様:あのー、ダイヤモンドの査定をしてもらいたいのですが…
私:はい、承りますよ!
お客様:他の質屋に持って行ったら、本物かどうか分からないので査定できないと言われたのですが…
私:そうですか…
お客様:鑑定書とかは無いのですが、うちの母が言うには、購入当時、大変高価だったとかなんとか…
私:分かりました。それでは、拝見させてください。
このダイヤモンド、どういう結果だったかと言いますと、透き通った大変透明度の高い良いお品物で、査定価格40万円という、とても高価なダイヤモンドでした。
なぜこのような高価なダイヤモンドが、査定を断られてしまったのでしょうか?
それは、先ほども書きましたが「透き通った大変透明度の高い」ダイヤモンドだったから、なのではないかと思います。
品質の高いダイヤモンドの場合、クラリティ(不純物の少なさ)のレベルが高く、10倍ルーペなどで拡大して見ると、わずかにインクルージョン(内包物)が確認できる程度のクラリティなのです。
ですので、あまりにもクラリティ(不純物の少なさ)のレベルが高い場合、単なるガラスだと誤認したり、何らかのイミテーションではないかと鑑定される場合があるのです。
また、ダイヤモンドは無色ではなく、実際はわずかに色が付いていることがほとんどなのです。もちろん、無色透明であればあるほど品質が高く、色が濃くなるほどダイヤモンドとしてのランクが下がります。
ということで、あまりにも無色すぎるダイヤモンドは、鑑定士がただのガラスだと結論を出す場合があるのです。
先ほどの例で上げたダイヤモンドの場合、品質が高いが故に、ダイヤモンドではない、と判断されたのではないかと思います。恐らく、もっとグレードの低いダイヤモンドなら、査定してくれたのかもしれません。
高品質なダイヤモンドの査定には専用の環境が必要になります。特に大事なのが照明でして、この照明がきちんとしていないと、高品質なダイヤモンドの査定は出来ません。
例えば、かっこいい間接照明は人間には優しいのでしょうけれども、高品質なダイヤモンドの査定は出来ません。それは、光の温度(色)で物体の見え方が変わってしまうからなのです。
付け加えますと、ダイヤモンドの鑑定書が付いていても、それはそれとして考えます。鑑定書を鵜呑みにせず、あくまでも池田質舗の鑑定士として鑑定させて頂きます。
それはなぜかと言いますと、過去には「鑑定書のグレード偽装」なんていうこともありましたし、古い鑑定書の場合、今の鑑定基準と違う古い鑑定基準で鑑定されている場合があるからです。
ですので、鑑定書は鑑定書として拝見しますが、査定については、あくまでも池田質舗が査定をして金額を算出します。
まとめますと、高品質なダイヤモンドの査定には、きちんとした照明環境ときちんとした鑑定士が不可欠です。
皆様もぜひ覚えておいて下さい。
それではまた、次のコラムでお会いしましょう。
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