南シナ海の領有権問題を整理

池田正一

池田正一

テーマ:時事ネタ

国民の多くの方々には、寝耳に水、といった印象ではないでしょうか。
数日前から天皇陛下の生前退位についての報道がなされています。ただこの報道、一方では政府が否定し、もう一方ではさかんに生前退位について情報が出てくる等、すこし混乱している印象を受けます。
これらの報道に伴いすっかりニュースから消えてしまいましたが、今回は、南シナ海の領有権問題を整理してみたいと思います。
なぜ消えてしまったニュースを持ち出すかというと、それはマーケットに大きな影響を及ぼす可能性があるからです。
天皇陛下のお話は、基本的にはマーケットとは関係が無いと思います。回り回って何かの影響があるのかもしれませんが、天皇陛下と為替株価は、関連して考えるようなことでは無いと思いますので。

まずは、こちらの地図をご覧下さい。


南シナ海


ニュースでは「南シナ海」という言葉と「南沙諸島」という言葉が飛び交っていますが、この地図を見ると情報の整理が出来ると思います。
この地図にある「South China Sea」が南シナ海ですね。また、Spratlyと書いてあるのが、スプラトリー諸島(=南沙諸島)という意味です。
TWと書いてあるのが台湾、PHと書いてあるのがフィリピンですので、日本から見るとだいぶ南に位置しています。

このコラムでも触れましたが、中国とフィリピンの間で、南シナ海の領有権について問題となっています。このコラムでは法律上の「岩」がどうこうとか、「岩礁」がどうこうといったようなお話は避けますが、この南シナ海の領有権問題は大変大きな問題だと思っています。

オランダ・ハーグの仲裁裁判所は中国の南シナ海での主権を認めませんでした。
具体的には、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)で、中国はフィリピンの漁業や石油資源開発の権限を邪魔している、という判断を仲裁裁判所が下したのです。
そしてこの判決を中国は「受け入れない」と明確に主張しています。

こうなりますと、IMF(国際通貨基金)が人民元をSDR(特別引出権)の構成通貨として採用すると昨年11月に決定した訳ですが、国際法を無視するような国が、SDR通貨であって良いのかという疑問が当然湧いてきます。
このSDR通貨は、5年ごとに見直されるようですので、次回の2020年の見直し時には人民元はSDR通貨から外れる可能性が出てくるのではないかと思う訳です。

また、そう言えば、イギリスはロンドン金融市場を香港と並ぶような大きな規模の人民元決済センターにしようとして、取り組んでいました。イギリスを訪問した習近平に対して、皮肉を込めた歓待でもてなしたというニュースが思い出されます。
しかしこれも、イギリスのEU離脱、そして今回の仲裁裁判所判決を無視、これらにより雲行きが怪しくなってきていると思います。中国としてはイギリスを窓口にしてEUにアプローチしたかったのでしょうけれども、目論み通りにいくかどうか疑問ですね。

という事で、「NYダウ、最高値更新=世界経済への不安和らぐ」なんて記事が数日前に出ていましたが、この情報とは裏腹に、金価格が上がってきています。

http://www.ikeda78.com/market.html

アメリカ経済は好転しつつあるのかもしれませんが、中国発のいろんなリスクが顕在化してきていると思っています。





それではまた、次のコラムでお会いしましょう。





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