いまさら聞けない機械式腕時計のあれこれ 〜お手入れ編〜
さて、第11回のコラムですが、「いつかはロレックス 〜分類〜」についてお話したいと思います。文字盤や素材、ムーブメントやブレスレットの組み合わせで、膨大なモデルの数があるロレックス。ロレックスを選ぶその前に、まずは、ロレックスの分類の法則を理解しましょう。
まず、ムーブメント。
ムーブメントには、このような種類があります。
【オイスター】
オイスターとは貝の牡蠣(カキ)を意味します。ケース形状を示しており、牡蠣のイメージから「頑丈に機密性は高く」という意味が込められています。このオイスター型ケースの製造方法ですが、鋳型に素材を流し込む方法ではありません。素材の塊からケースをくり貫き、そして、研磨する方法で製造されます。鋳型を使わず削りだす事のメリットは、出来上がった製品に継ぎ目が入りません。よって、機密性が高く強靭に作ることが可能となるのです。
【デイトジャスト】
ロレックスが開発した、12時前後に一瞬で日付が変わる日付表示機構、またその機能が付いた時計。
【デイト】
デイトジャストと同じく瞬時に日付が変わるモデル。ケースサイズがメンズではデイトジャストより少し小さめ。レディースでは、ケースサイズがパーペチュアルより少し大きめ。
【パーペチュアル】
ロレックスが開発した自動巻き機構。手首のわずかな動きをとらえてゼンマイを巻き上げます。ロレックスのほとんどのモデルがパーペチュアル機能をそなえているので、日付表示のないモデルをこのように呼んでいます。
次に、ブレスレット。
ブレスレットには、このような種類があります。
【オイスターブレス】
ステンレススチールのモデルやスポーツモデルに採用されているブロック型の3列バンド。
【ジュビリーブレス】
コマのパーツが細かく分かれている5列のバンド。非常に美しく研磨されている。
そして、素材。
素材には、このような種類があります。
【コンビ】
二種類の金属素材を使って造られている物。ロレックスではステンレススチールとイエローゴールドのコンビネーションかステンレススチールとホワイトゴールドのコンビネーションを言う場合が多い。
【WGベゼル(ホワイトゴールドベゼル)】
ベゼルにホワイトゴールドを使用。ベゼル以外の素材はステンレススチール。SS/WGとも表記される。
【ステンレススチール(SS)】
一般的な時計の素材として多く使われる。錆に強く、丈夫。
【プラチナ/SS】
プラチナ(Pt:platinum)とステンレススチールの二つの素材を使ったコンビモデルの事。現在ではヨットマスターのロレジウムが該当。ベゼルと文字盤にプラチナを使用。
【イエローゴールド(YG)】
K18 の場合、金75 %、残りを銀銅等量のものをイエローゴールドと称している。一般的に認知されている金色に近い
【ピンクゴールド(PG)】
K18 の場合、金75 %、残りの80 %程度の銅の合金を一般的に、ピンクゴールドと称している。パラジウムを加えることがある
【ホワイトゴールド(WG)】
ニッケル系とパラジウム系があり、金にそれぞれの元素と、前者は、銅、亜鉛、後者は銀、銅を加えて、白色化した金合金をホワイトゴールドと称している。K18 の場合、ニッケル系、パラジウム系ともそれぞれ5 %以上を含まないと、色調の白味が不足する。以前はプラチナの代用品として装飾品に用いられたが、現在はカラーゴールドの一種としての地位を得て、イエローゴールド以上に普及している。
【プラチナ(PT)】
白い光沢を持つ金属として存在する。化学的に非常に安定であるため、装飾品に多く利用される。
純度はPt950を使用する。
最後に、ベゼル。
ベゼルには、このような種類があります。
【エンジンターンドベゼル】
フルーテッドベゼルと形状はやや似ているが、全体はつや消し加工でメンズでは1分刻みで鏡面仕上げが施されている。
【ファインリーエンジンターンドベゼル】
エンジンターンドベゼルと仕上げが似ており全体はつや消し加工だが5分刻みに鏡面仕上げが施されている。
【フルーテッドベゼル】
デイトジャストによく使われている一番ロレックスらしいといえるベゼル。ダイヤモンドカッターで均等に山形にカッティングされている。
【ポリッシュドベゼル】
ツルツルに磨き上げられた平らなベゼル。シンプルな機能美が感じられる。
【回転ベゼル】
60分計が刻まれた回転式のベゼルで分針に△マークを合せることにより時間の経過を読み取ることが出来る。
「ベゼルとは?」
風防外周の円状パーツで、二カ国の時刻表示や高い防水性の確保のためのもの。用途により固定式、回転式、逆回転防止のものがある。また、ベゼルに目盛が施されているものがある。
と、このようにロレックスは分類出来ます。
誰もが憧れるロレックス・・・
いつかは手に入れたいものですね。
少しでも、皆様の暮らしのお役に立てれば幸いです。
それでは、また、次回コラムでお会いしましょう。
有限会社池田質舗
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