【刑事弁護】道路交通法違反(酒気帯び運転)事件の弁護活動について

吉田要介

吉田要介

テーマ:道路交通法違反(酒酔い,酒気帯び運転)

ときわ綜合法律事務所の弁護士の吉田です。

今回も,解決事例を前提に,各事件の弁護活動について書きたいと思います。

第4回目は,【刑事】道路交通法違反(酒気帯び運転)事件についてです。

道路交通法違反(酒気帯び運転)事件の厳罰化

ここ数年,飲酒運転に対する非難の高まりを受けて,道路交通法違反(酒気帯び運転)事件の厳罰化が進んでいます。
たとえ,前科前歴が無い人でも,酒気帯び運転が人身事故を伴うものであればもちろん,自損事故であったとしても,
逮捕され,10日間か20日間勾留された上,起訴され,保釈がなされなければ,そのまま勾留が継続した後に,公判で審理がなされ,懲役刑を求刑され,執行猶予がつくものの,前科がつくケースが多いです。

この場合,保釈が認められた場合は,逮捕から13日から23日以上,
保釈が認められない場合は,逮捕から2ヶ月以上勾留されることになり,
その間,自由を奪われることになります。
そうなると,職を失ったり,家族の生活が危機に瀕する可能性が出てきます。

道路交通法違反(酒気帯び運転)事件と勾留の要件

酒気帯び運転の最も重要な証拠は,呼気検査の数値結果であり,ほぼそれに尽きます。
呼気検査の数値結果は,警察が保有しているので,罪証隠滅は不可能ですので
罪証隠滅のおそれはないといえます。
また,酒気帯び運転が重大な人身事故を伴うものではなく
被疑者に前科前歴がない場合は,執行猶予判決が下される可能性が高いので
被疑者が他の証拠の罪証隠滅をするおそれもないといえます。
さらに,執行猶予判決が見込まれる場合は,
逃亡する必要も無いので,逃亡のおそれもないといえます。

そこで,一刻も早く身体拘束から解放してもらうために
勾留決定に対する準抗告や勾留取消請求を行うことになります。
その際には,罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれがないことを
裁判官に理解してもらう必要がありますので
罪証隠滅や逃亡を行わない旨の本人の誓約書や
それらの行為を本人に行わせない家族の身元引受書など
できる限りの証拠を収集することになります。

解決事例は,罪を認めており,定職もあり,逃亡することは考えられないとして行った,勾留決定に対する準抗告が認容され釈放されたことを示す一例です。

私選弁護の依頼時の注意点

道路交通法違反(酒気帯び運転)事件自体は,被疑者国選対象外の事件です。
そのため,上記の活動を行うためには,私選弁護を頼む必要があります。
資力によっては,
被疑者援助制度が使用できる場合がありますので
併せて検討すべきだと思います。

他方で,道路交通法違反(酒気帯び運転)事件が人身事故を伴うものであって
自動車運転過失致傷罪でも逮捕されているときは,
資力基準を満たしていれば,希望すれば国選弁護人が選任されます。
私選弁護を頼む場合は,国選弁護人に上記のような弁護活動を行うか,
行わないとすればどのような理由があるのか,確認してから
私選弁護を頼んでもいいかもしれません。
もっとも,勾留前だったり,勾留後国選弁護人選任後連絡がない場合などは
私選弁護を検討べきかもしれません。


ご不明点等あれば,お気軽にお問い合わせ下さい。


【刑事弁護】暴行・傷害事件の弁護活動について
【刑事弁護】【刑事】強制わいせつ・迷惑防止条例(痴漢)違反事件の弁護活動について
【刑事弁護】窃盗事件の弁護活動についてもご覧下さい。


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