もし勾留されたら・・・

吉田要介

吉田要介

テーマ:刑事弁護

ときわ綜合法律事務所の弁護士の吉田です。

前回,逮捕されたらどうなるかについて,書きましたので
今回は,勾留されたらどうなるかについて
書いてみたいと思います。

まず,勾留された場合,
裁判官が勾留決定をしているので
原則として10日間勾留されることになり
通常,警察署に10日間勾留されることになります。

そして,その10日の間に,
警察で警察官から取調べを受けたり
犯行現場に連れて行かれたり,
検察庁で検察官から取調べを受けたりします。

そして,勾留された日をいれて10日目に
検察官が取調べの結果を踏まえて
起訴するか,
罰金(略式命令)にするか,
延長するか,
釈放するかを決めます。

なお,10日目が土日祝日にあたる日は,
通常,前倒しで処分が決まります。
例えば,10日目が日曜のときは,
8日目の金曜に処分が決まります。

ごくまれに,
取調べが早く済んだり,
示談が成立したり,
被害者が被害届を取下げたりなどの事情がある場合に,
10日を待たずに,釈放されたり,起訴されたりすることもあります。

次に,検察官が延長を選択する場合,
検察官は,裁判官に勾留延長請求します。
延長請求は,通常,最長の10日請求します。
まれに,それより短い日数(5日など)を請求することもあります。
その場合,再度,裁判所に勾留の延長を請求することができます。
ただ,原則として10日間を超えることはできません。

検察官の勾留延長請求がなされた場合,
勾留を延長する「やむを得ない事由」があると認めるときは,
裁判官は,勾留延長決定をします。
まれに,10日間の延長請求に対して,
5日間といった短縮した期間の延長が決定されることもあります。
この場合,裁判官が認めた期間,勾留が継続することになります。
「やむを得ない事由」と言いながら,
よほど軽微な事案でもない限り
延長が認められることの方が多いのが現状です。

逆に,勾留を延長する「やむを得ない事由」があると認められないときは,
裁判官は,勾留延長却下決定をします。
この場合,釈放されることになります。

延長された勾留の最終日に,
検察官は取調べの結果を踏まえて
起訴するか,
罰金(略式命令)にするか,
釈放するかを決めます。
やはり,勾留の最終日が土日祝日にあたる場合は,
通常,前倒しで処分が決まります。
例えば、勾留の最終日が日曜のときは,
前々日の金曜に処分が決まることになります。
もっとも,諸事情で最終日を待たずに処分が決まることもあります。

検察官の処分が
罰金(略式命令)や釈放の場合は,
処分日に釈放されることになります。
起訴された場合は,
保釈が認められない限り,
その後の裁判で執行猶予判決や罰金の判決が出るまで,
勾留が継続することになります。

上記の一連の流れの中で
弁護士は,勾留決定をひっくり返す活動や勾留を取り消してもらう活動,
勾留延長決定をひっくり返す活動等を行うのですが,
やはり,長くなるので,次の機会に書きます。




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