【知財】【税】イノベーションボックス税制
特許権を取得・維持するのに費用がかかります。
本シリーズは、この費用を軽減する方法を解説します。
主に、補助金・助成金(「支援制度」等という言い方をする場合もあります。地方自治体・制度ごとに異なり、厳密には助成金と補助金では異なりますが、本シリーズの解説では簡略化のため「補助金」で一貫させて呼ばせてもらいます。)の活用方法になります。
以前に、平均的な費用の例は、こちらの回で解説しています。
本シリーズで解説する上で、一口に「費用」といっても内訳・分類があります。
補助金を利用する上でどういったものが対象にできるかが異なります。
そこで、補助金を活用するための知識として「費用」を色々な分類をして解説します。
知的財産権に関する費用とは
支払先で分類する
大きくは下図の2通りに分類されます。
上記の費用も更に分類されます。
特許庁納付費用は、法令で金額が定まっており、一律です。
特許庁 産業財産権関係料金一覧
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/hyou.html
特許庁 手続料金計算システム
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/jidou-keisan/index.html
特許庁 産業財産権関係料金一覧パンフレット
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/document/hyou/industrial_pcharge.pdf
一方で、弁理士費用は弁理士・特許事務所によって異なります(昔は「特許事務標準額表」等があり、ある程度決まっていたようですが、これは廃止されています)。
一般的には、弁理士・特許事務所ごとに料金表がありますので、料金表で定まります。
日本弁理士会でアンケートをしてどの程度の料金がかかるかを調べたアンケート結果を公表しています。
https://www.jpaa.or.jp/howto-request/attorneyfee/attorneyfeequestionnaire/
特許庁納付費用は、「審査請求」や「特許料」の金額が請求項数で変動します。つまり、請求項数が多くなると、審査・維持をするのに、特許庁納付費用が高額になります。
弁理士費用は、弁理士・特許事務所ごと違うため、どうすると高額になるかは異なります。一般的には、ページ数・図面数・請求項数等の「資料のボリューム」、弁護士等である「タイムチャージ制」、又は、「手続きの種類」等で決まることが多いです。したがって、こちらの費用も資料・請求項が多くなる・複雑になると高額になる場合が多いです。
ちなみに、4月より特許庁納付費用が値上がりします。
詳しくは、こちらの回で解説しています。ご参考まで。
支払タイミングで分類する
支払タイミングで分類すると費用は下図のように分類されます。
なお、弁理士費用は弁理士・特許事務所によって異なりますので、上図以外のタイミングで発生する場合もあります。また、弁理士・特許事務所によって発生しない場合もある。
また、上図では、「中間処理手数料」とざっくりと記載していますが、中間処理は色々なパターンがあります。
例えば、拒絶理由通知は2回以上発せられる場合もあります。この場合には、2回以上「中間処理」をすることになります。
また、拒絶査定となった場合には、拒絶査定不服審判・審決等取消訴訟(裁判)に進む「中間処理」となります。
ちなみに、費用は、特許庁納付費用も弁理士・特許事務所を介して特許庁へ納付するのが通常です。
補助金は、上記の費用分類のうち、どこが対象になるかが制度ごとに異なります。
また、一口に「知財費用」と言っても、特許権は対象・意匠権は対象外等となっている制度もあります。
補助金を利用する上でどこの費用が軽減できるかをよく調べるのが重要です。
次回以降、本シリーズでは、制度ごとに解説していきます。
製品改良/規格適合・認証取得支援事業(東京都)
新製品・新技術開発助成事業(東京都)
知的財産権の出願にかかる助成金(東京都江戸川区)
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(全国共通)
知的財産権取得補助金(東京都墨田区)
なお、上記の例は、原則の説明用・説明のため簡略化しております。そのため、もちろん例外があります。詳しくは一度弁理士等へ相談するのを強くお薦めします。
上記の内容で不明な点がございましたら、お手数ですがメール等でお問い合わせ下さい。
以上、ご参考まで。