「建物の鑑定評価研修会」平成31年3月4日(月)開催のご案内
こちらでもお知らせしました上記タイトルのセミナーを受講しました。
この研修は、私が常務理事を務めます特定非営利活動法人日本不動産カウンセラー協会が主催するもので、一般の方はもちろん、不動産鑑定士協会連合会の研修単位も認定される研修です。
MaaSとは、なかなか定義付けは難しいのですが、タクシー、バス、電車、レンタカー、自転車等の交通機関を統合的にスマホで手配・決済できるサービスとでも申しましょうか。
現在のところ、配車サービスのウーバーが東京でも利用できますが、それをもっと多くの種類の交通機関をスマホ1台で使えるようになるようなイメージです。
ウーバーについても日本は遅れている状況ですが、MaaSとして見ても相当な後進国らしいです。
現在かなり普及しているのはカーシェアリングくらいでしょうか。
私のような不動産鑑定士は、仕事で車で回りたい時はカーシェアリングを使っている方が多いようです。
フィンランドをはじめとするヨーロッパ諸国では、既にサービスが開始されており、例えば、月々定額制でタクシー5kmまで乗り放題を含め、様々な種類の交通機関を利用できるようになっているそうです。
5kmまでなら毎日タクシーに乗っても定額なので月々の料金は変わりません。
例えば、私の場合はレアケースではありますが、家から事務所まで5km弱くらいなので、毎日タクシーに乗って、レンタカーを借りて仕事して、お酒を飲んだらそのお店からスマホで手配して自宅に帰る等、様々なケースで便利になると思います。
もちろん、仕事用の車は持たないので、駐車場台もかかりませんし、税金、車検、自動車保険等の諸費用もかかりません。電車も乗れるので定期代も切符代もいりません。
さて、これでいくらなのでしょう。
フィンランドのwhimでは、このような無制限タイプで月約6~7万円とのことです。
高いでしょうか?なかなかすぐに答えが出ない金額ではありますが、自動車1台持たなくていいことや、その他の交通費もかからないことを考えれば、納得できる金額のように思います。
今も経路検索のアプリはありますが、これに手配や決済サービスがついているので、スマホ1台でOKです。特にバスの経路はなかなか難しいと思いますが、これも全部経路検索してもらえば、地方や海外に行っても安心ですね。
MaaSが浸透してきますと、街並みも変わってきます。
なぜなら、駐車場がいらなくなるので、繁華街に意外と多い駐車場等をもっと有効利用できるようになります。また、戸建住宅にも駐車スペースがいらなくなるので、庭が広くなるとか、家をもっと大きくできる等も利点もあります。
また、自動運転が普及すると、道幅も狭くてよくなるそうで、路肩にか―シェリングの車が駐車できるようになり、自転車レーンが整備されたりします。また、スマホで予約すると、そのすぐ脇にある車に乗れるようになるかもしれません。
このような状況が進んでいけば、商業施設、オフィスビル、マンション等の設計、デザインも変化してくるでしょう。駐車場のスペースを主用途に振り分けられるので、効率的な建物が建築されるようになる気がします。
仮に自分の車を持っていても、使わない時間は、か―シェリングに貸して副業にすることも考えられます。日本の車は24時間365日を稼働時間とすれば、その稼働率は5%程度らしいです。
要は、ただ停まっている時間が長いということですね。
ゆくゆくは、交通、住まい、物販、物流、サービス、医療、金融等が統合され、自動運転、スマートシティが整備され、未来の街がどうなっていくのか楽しみです。
ところで、一つ不動産の価格を決める「駅距離」という要因ですが、
今ほど重視されなくなる可能性があります。
交通システムが統合されて利用できるようになるので、電車だけの駅は、衰退する可能性があります。ただし、現在の駅に、バス、カーシェアリング、タクシー、その他が集まるようなエリアになれば、その優位性は今とあまり変わらないかもしれません。
従って、今のように一律に駅から近ければ良いという状況は変化していく可能性は高くなるのは間違いなさそうです。
街が蘇る可能性がありますし、時流に取り残されてしまうと価格下落が止まらないなんていう悲劇の可能性もあり、今後も目が離せませんね。
とにもかくにも、日本全体が取り残されて全体が地盤沈下しないことを見守りたいと思います。