令和6年度税制改正要望  <浦安市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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テーマ:令和六年度税制改正

岸田首相は新たな経済政策として5本柱を公表し、10月末までに具体策を取り纏める意向ですが、その柱の一つ「成長力の強化・高度化に資する国内投資促進」の為に創設し、令和6年度税制改正への織り込みが有力視される二つの税制を、以下にて、取り上げたいと思います。

戦略物資生産基盤税制の創設

趣旨

 地球温暖化による気候変動や異常気象の加速を抑えることを目的とするGX(グリーントランスフォーメイション)やDX等の戦略分野への投資拡大に向けた政策競争が、世界各国で激化する中、我が国においても、“世界に伍して競争できる投資支援パッケージ”の一環として、中長期的な経済成長を牽引するGX分野を中心に、DXや経済安全保障等の観点を踏まえつつ、戦略的に重要な物資の国内生産等に対し、中長期的な予見可能性を示すことのできる規模・期間で、生産活動に応じて、事業投資全体に対する支援を行う必要がある。

改正要望

 投資時点での設備投資減税ではなく、投資後における戦略物資の生産・販売量に応じた税額控除を創設する。10年を超える長期に亘る適用期間を措置し、税額控除の繰越制度も設ける。

イノベーションボックス税制の創設

趣旨

 我が国のイノベーション促進に向けて、海外と比べて遜色ない事業環境の整備を図ることにより、研究開発拠点としての立地競争力を向上し、ソフトウェアをはじめとする知的財産の創出を後押しする必要がある。イノベーションボックス税制とは、研究開発の成果として生まれた特許等の知的財産から生じる所得に優遇税率を適用する制度で、フランス等のヨーロッパが先行し、中国・インド等アジアにおいても導入が進んでいる。

改正要望

 “制度対象所得”に優遇税率を適用する。その“制度対象所得”は、知財から生じた全所得に知財開発の為の総支出に占める“適格支出”の割合を乗じた金額とし、“適格支出”とは「国内で自ら研究開発を行う為の支出」とする。


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