令和三年後税制改正 繰越欠損金の控除上限の特例の創設 <浦安・市川の中小企業支援コラム>
コロナ禍で例年より一ヶ月遅れとなりましたが、各省庁からの令和3年度税制改正要望が出揃いました。今回は、経産省の税制改正要望の中から、創設事項を、以下、取り上げたいと思います。
起動的な事業再編を促す為の自社株等を対価とするM&Aの円滑化
改正要望の背景:
欧米の大規模な買収においては、利用される対価は株式又は株式と金銭との混合が主流で、買い手側は、手許資金を設備投資等に活用出来るし、又、自社の規模に比して大きなM&Aを行うことが可能でした。一方、日本においては、株式交換以外は現金による買収のみとなっていて、それが、海外と比べて大規模なM&A案件が少ない要因と指摘されていました。昨年12月の会社法改正で、自社株式等を対価とするM&Aについて、現物出資規制・有利発行規制を撤廃した、新たな「株式交付制度」が創設されたこと(令和3年春施行予定)に伴い、迅速且つ大胆な事業再編が円滑に進むよう、被買収会社の株主へ買収会社への株式譲渡を促す為、株式の譲渡益課税の軽減措置を望む声が挙がっていました。
要望事項:
自社株式等を対価とするM&Aに応じた株主について、交付を受けた株式の保有継続を要件として、株式譲渡益・譲渡所得への課税繰延措置を恒久措置として創設する。
中小企業による経営資源集約化の促進に係わる税制措置の創設
改正要望の背景:
2019年に休廃業・解散した企業は4万3千件強、倒産は8千件強でありましたが、新型コロナウィルス感染症の影響を受け、2020年の休廃業・解散は5万件を、倒産は1万件を超える見込みです。掛かる状況下、企業の退出リスクの高まりを放置すると、地域の経営資源が散逸する恐れもあり、 ウィズコロナ/ポストコロナ社会に向けて、中小企業の経営資源を集約化等(統合・事業再構築等)を通じ、新規事業拡大や多角化等を行い、業態転換を含めて大胆なビジネスモデルの変革が求められています。また、事業承継においても、経営資源集約化の観点から、親族外承継の重要性が高まりつつあり、地域経済・雇用を担おうとする中小企業による経営資源の集約化等を支援するための税制措置が要望されていました。
要望事項:
中小企業の経営資源の集約化等を支援するため、事業譲渡等に伴う譲渡益課税の軽減や繰延その他の税制措置を検討し、創設する。
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