市場縮小でもコロナ堝でも最高益! <浦安市川の中小企業支援コラム>
新型コロナの影響を大きく受ける業種の一つが観光業。星野リゾートでも、4~5月の需要は通常比8~9割減となったが、星野代表は1年半後の復活を見据え、段階を踏んで対応すれば、この危機は必ず乗り超えられると語る。6月初めの日経記事連載から、以下要約抜粋して紹介致します。
1年半後には出口が見えて来る!
代表に就任してからの30年近くの間に、バブル崩壊や東日本大震災等、様々なことに直面しました。現在の需給の状況はバブル崩壊後とよく似ています。バブル期はホテルの供給が大幅に増え、バブル崩壊後に需要が追いつかなくなりました。今回は需要の急減です。一方、大きな違いもあります。「失われた20年」と言われるように、バブル崩壊後に不況が長い間続きましたが、新型コロナは、治療薬やワクチンが出来るという明確な出口があり、早ければ1年半程度でその出口が見えてきます。「今後1年半をどう乗り切るか」というメッセージを3月中旬頃から社員に向けて発信して来ました。このコロナ危機でこの業界を離れたいと思っている人もいるかもしれません。でも私は、今は離れずにこの危機を経験すべきだと考えています。私が過去の危機を乗り越え、自信を持つことが出来たように、この危機を乗り越えた経験は、今後強い自信に繋がるのです。
最初に戻ってくるのは車で30分~1時間のマイクロツーリズム
最初に戻ってくるのは、周辺地域を旅行するマイクロツーリズムです。次に戻ってくるのが新幹線や飛行機を使った大都市圏からの旅行、そして最後にインバウンドです。私は今後の日本の観光市場にとって、このマイクロツーリズムが非常に重要になると考えています。地域の人に地元の観光について知ってもらうことはとても大切なことで、地元の人ならではの気づきや、アドバイスをもらえることが多い。そうやって地域の魅力を再発見できれば、その地域の観光はさらに強くなり、その本物の価値はインバウンドが復活したときにはリピーターを生み出す鍵となるでしょう。また、地域のお客さんが増えると、求められる食材は地元のものではなくて、地元では食べられないものに変わります。そうした需要の変化に対応することも大事です。
インバウンドは2割、日本人による国内旅行が8割!
日本の観光市場は約26兆円あります。実は、そのうちインバウンドによる市場は約2割しかありません。残りの約8割は日本人による日本国内の観光です。逆に考えれば、仮に今後1年半、インバウンドによる需要がなくなったとしても、国内需要を伸ばせれば乗り切れる可能性があるということです。さらに、海外旅行に行けなくなれば、その分の消費(3兆円)が国内旅行に戻ってくる可能性があるのです。それを生み出せるかどうか、今後1年半は勝負の時です。
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