社員全員が個人事業主の自覚を持て!   <浦安市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

和泉俊郎

事業領域を「切る・削る・磨く」の三つの技術に絞り込み、半導体ウエハーの切断・研磨で世界シェア7割を誇る企業にまで成長したディスコの創業は、1937年、広島県呉市に砥石メーカーを設立したことに始まります。日経トップリーダー3月号は、社内通貨ウィル(WILL)を導入し、個人レベルで収支管理を行うことにより社員の意識改革を進める三代目関家社長を取り上げています。その経営手法の骨子を以下要約抜粋して紹介させて頂きます。

個人レベルでの収支管理で社内にも市場原理主義を導入せよ!

企業や組織を見ていて強く感じることがある。世の中では、要らない製品やサービス等は直ぐに消えて行くのに、組織の中に入るとそうではなくなる。何故か?それは社会の論理と企業の論理が異なるからだ。日本を代表する家電メーカーが苦しんでいる理由の一つが、組織の官僚化(規則や組織を守ることが目的となり環境の変化に柔軟に対応出来ない)だと思う。経営者はよく社員に「経営マインドを持て!」と言う。でも、ただ言うだけでは人は動かない。社内にも市場原理主義を導入して、カネを介在させると官僚化を抑制できると考えた。

社員全員が自立した気構えを持つ「個人事業主」になる!

当初ウィルは部門別でスタートしたが、部門ごとの採算を意識するのは部長と会計担当者だけ。部員は、会社の業績は把握しても部門の採算は気にしない、つまり、社員に切実感がなかった。そこで収支管理を個人レベルまで広げた。ある仕事をこなすと、その仕事の料金が“収入”として個人の社員に与えられる。逆に、別の社員に仕事を頼む場合は料金を払う。自身の給与も、出張経費、会議費等の利用料も支出として計上するため、各個人の採算が分かる。上司の指示で仕事をやると必ずどこかに不満が出る。ところが、仕事の割り当てを入札にして、個人の自主性で引き受けて貰うと責任感が全然違った。ウィルを起点として、社員の意識改革を促す様々な施策が産まれた。業務の独占禁止ルール、業務の改善・改革を毎日各部署間で競い合うが「1分プレゼン」、新規事業発案者に他の社員がウィルで投資出来る制度、相手がOKなら他部署へも自由に異動出来て、上司は拒否出来ない仕組み等。社員全員が、社内外の顧客・関係者に付加価値を提供出来るスキルと自立した気構えを持つ「個人事業主」になる、そのことが企業を最も強くすると云う思想がある。

徹底的に社員の自主性に任せれば自ずと無駄が無くなる!

勿論、ウィルを使っても無駄な仕事が発生する可能性はある。しかし、業務には全て値段が付いている。自ら発案して始めた事業や効率化提案等が外部への売上やコスト削減等の効果に繋がらなければ、次からは引き受け手がなくなるから、無駄な仕事は消えて行く。社員の自主性を徹底的に重視して任せると、勝手なことを始めないかと恐れる人もいる。でも、当社には企業理念・価値観を纏めたディスコバリューがある。ここから離れなければ、何をやっても良い。何より、利益を出せない仕事や業務は不要なものだから、勝手なことをやろうと思っても潰れて行くだけ。その意味で、自由だと言いながら、結局は、市場が求める方向へ動いて行く。


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