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和泉俊郎

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和泉俊郎(いずみしゅんろう) / 税理士

和泉税理士事務所

コラム

海外駐在で自宅を賃貸し不動産所得がある場合の税務申告   <浦安・市川の中小企業支援ネット>

2016年8月1日

コラムカテゴリ:ビジネス

ジャカルタに駐在中の方から、「自宅を賃貸し不動産所得があるが、源泉税を20.42%取られていて、これを取り戻したいので過去4年分の申告をお願いしたい」との依頼がありました。今回は、海外駐在で自宅を賃貸し不動産所得がある場合の税務申告を取り上げたいと思います。

確定申告のためには納税管理人の届出が必要

給与所得者が、1年以上の予定で海外に駐在すると、所得税法上の非居住者となります。
非居住者になると、国外で発生した所得には日本の課税権はありませんが、 留守宅を他へ賃貸する等して日本国内で所得が発生すれば、日本の所得税が課税され、毎年確定申告書を提出する必要があります。そして、非居住者の確定申告書の提出や税金の納付等、納税義務を果たすため、「納税管理人の届出書」を所轄税務署長へ提出し納税管理人を定める必要があります。今回は私がその納税管理人になることとしました。

自宅を賃貸した場合の建物の減価償却における留意点

非業務用だった自宅を業務用として賃貸する場合の留意点は、耐用年数の取り扱いです。新築で購入後賃貸開始時点で建物の残存簿価が幾らあるかの計算では通常の耐用年数の1.5倍とする取り扱いがあります。例えば、木造で耐用年数22年であれば、その1.5倍は33年となります。非業務用の減価はゆっくりと進むとの考え方です。賃貸開始時からは22年で計算することになります。この取り扱いを知らないと、例えば、25年経過後に賃貸したとした場合、既に耐用年数を経過しているため減価償却費を必要経費に出来ないこととなります。

還付申告は5年以内なら大丈夫

自宅を賃貸する場合の賃料は20万円程度でしょう。入金額は、年間賃料240万円から源泉税が49万円も控除され、191万円となります。減価償却費、支払利息(ローン金利)、固定資産税、修繕費等の必要経費が50万円あるとすれば、不動産所得は190万円です。非居住者の場合、所得控除は基礎控除・雑損控除・寄付金控除の三つしか認められませんから、基礎控除38万円のみと考えると課税所得は152万円です。税率は5%ですから、所得税は7万6千円(復興税込みで77,500円)です。41万2,500円が還付されます。

なお、還付申告書は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができますから、金銭的に余裕のある人は還付申告を急ぐ必要はありません。


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