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知財の要を探る書『西澤潤一の絵と魂』が出版されます

 知財の要の一つに独創技術による特許発明があります。1998年の年頭記者会見で当時の橋本龍太郎首相は「今ハイテク産業のコメと言われる半導体の原形、シリコンダイオードは東北大学で開発されました」と述べ、日本にも基礎開発力があることを述べました(特許第 221695 号、特許第 229685 号等)。しかしながら、現在の日本の科学技術の衰退、これによる経済の低迷には非常に残念なものがあります。
 
 2018 年に他界された元東北大学総長西澤潤一先生は、121 点の水彩画やペン画を残していました。拙著『西澤潤一の絵と魂』は、この遺品のうちの64 点を紹介すると共に、ミスター半導体として活躍された西澤先生の独創研究の手法を、若き研究者に伝えようとするものです。

https://www.amazon.co.jp/dp/486728114X/
 
  推薦の辞 第22代東北大学総長大野英男
  第1章アカデミ・オブ・フランスの美術館が間違えるはずはない?
  第2章技術と芸術
  第3章時間と光の相
  第4章創造は必然の先見
  第5章これで良いのか日本の独創技術

 第1章では、アカデミ・オブ・フランスの美術館におけるモネの絵の逆さま展示が、西澤先生の指摘により訂正された事件を紹介します。2007年のNHK日曜美術館で、西澤先生は「自然を分解して相に描きとめる」というモネの視線に着目したことを述べています。更にこの事件と、23歳の大学院特別研究生の西澤先生が欧米のノーベル賞級の権威ある学者の説を否定した事件を、西澤先生自身が対比していることを紹介し、ものの見方や考え方について考えます。
 
 第2章では、物理学、化学、生物学の広い研究分野に渡りノーベル賞級の研究をし、しかも芸術の才能もあった現代のレオナルド・ダ・ビンチと言っても過言ではない、西澤先生の思考や論理を探るために、アートとしての技術と芸術が歴史上どのような関係で発展してきたかを、著者の観点で説明しています。
https://mbp-japan.com/aomori/soh-vehe/column/5039601/

 第3章では、12~23歳の西澤先生が制作した約60点の絵画を、独立美術協会の桜井寛先生(元武蔵野美術大学教授)の評価と共に紹介し、独創研究者の視点や考え方等を探求します。西澤先生の絵画は、風景画が多いです。このため、第3章では、遺品である絵画に対応するスケッチポイントを探索し、昭和14~25年当時の仙台市等の情景や現在の情景等と対比して説明しています。
  §3.1旧制仙台二中1~2年生(昭和14年4月~昭和16年3月)
  §3.2旧制仙台二中3年生(昭和16年4月~昭和17年3月)
  §3.3旧制仙台二中4年生(昭和17年4月~昭和18年3月)
  §3.4旧制二高(昭和18年4月~昭和20年3月)
  §3.5東北大学(昭和20年4月~昭和23年3月)
  §3.6東北大学大学院特別研究生(昭和23年4月~昭和28年3月)
  
 第4章では西澤先生が物理学、化学、生物学の広い研究分野に渡りノーベル賞級の研究ができた背景には、量子力学の理解を中心とした原子論、分子論的観点があることを、西澤先生の言葉として説明します。学生時代の西澤先生は電気の講義を抜け出し物理の量子論等の講義を聞きに行っています。又、指導教官の渡邊教授が量子力学に夢中になっていた時期であり、湯川秀樹著『量子力学序説』の輪講にも西澤先生は参加し、量子力学への理解を高めています。更に西澤先生が「研究の原点は宮沢賢治である」と述べている宮沢賢治が、片山正夫著の『化学本論』を座右の書とした科学者であったことを紹介します。片山先生は化学に量子論を組み込んだ最初の人物であり、片山先生の原子論・分子論は西澤先生の視座に近いと言えます。
 §4.1欧米の権威の理論を否定した23歳の学生
 §4.2科学者エディントンと芸術家ミケランジェロ
 §4.3松茸は摘み取られるまでに千人の股をくぐる
 §4.4天才には異常な集中力がある
 §4.5フランドル楽派とトランジスタ
 §4.6レオナルド・ダ・ビンチと数学
 §4.7物理的科学の発展と数学
 §4.8ノーベル物理学賞とノーベル化学賞の両方を受賞
 §4.9絵画は発明か
 §4.10発明と絵画の根底にある愛
 
 第 5 章では、晩年の西澤先生が危惧していた我が国の独創研究のあり方について述べ、現在の日本が西澤先生の考え方とは別の方向に進んでいる危険性を説明します。
 §5.1何でこんな手作りの装置が世界最高純度の結晶を成長できるのか
 §5.2いつまで続くのか世界3位のノーベル賞受賞者数
 §5.3ノーベル賞の対象はバブル期以前の業績
 
 以下のコラムもご参照下さい:
 https://mbp-japan.com/aomori/soh-vehe/column/5145233/
 https://mbp-japan.com/aomori/soh-vehe/column/5139023/
 https://mbp-japan.com/aomori/soh-vehe/column/5138700/
 https://mbp-japan.com/aomori/soh-vehe/column/5043101/

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鈴木壯兵衞
専門家

鈴木壯兵衞(弁理士)

そうべえ国際特許事務所

外国出願を含み、東京で1000件以上の特許出願したグローバルな実績を生かし、出願を支援。最先端の研究者であった技術的理解力をベースとし、国際的な特許出願や商標出願等ができるように中小企業等を支援する。

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